第17章01

1/2
前へ
/161ページ
次へ

第17章01

暫くして3隻の前方に浮島が見えて来る。 黒船のブリッジでは 総司「…何か見えて来た。船かな」 駿河「船?」と言って立ち上がって船窓から目を凝らして前方を見ると「いや、岩だ。デッカイ浮き石かな」 3隻はそこに近づく。 総司と駿河、同時に「島…」と唖然とする。 総司、ちょっと笑いつつ「島だった…。」と同時に 駿河「島が浮いてた…。」と言うと「世界は広かった。」 黒船の甲板では マリア「すごーい、島が浮いてるー!」 ジェッソ「おおおおお!」 カルナギ「…人工種って何でも驚くんだな」 穣「だって俺らの方にあんなの無いし!」 護「俺達の方で有翼種がビックリするようなモンは無いかなぁ」 カルロス「この採掘船にビックリして欲しかった。」 カルナギ「確かに変な形だけどな。まぁそんなに驚かないな。」と言うと「人工種の船はあの島で石茶石を採る。その間に俺ら有翼種の船はケテル採掘をする。」 護「りょうかーい」 ジェッソ「わかった。」 カルナギ「じゃあ後は金髪頭の探知に頼んだ!」 カルロス「って、私か。」と言い上総を見て「上総は微妙に金髪じゃないんだな」 穣「微妙に栗色っすね」 カルナギ、ドゥリー達に「有翼種はブルートパーズに戻るぞー!」 ターさんやドゥリー達「はーい!」 ドゥリー「じゃあまたねー」と手を振る ターさんも「頑張ってねー!」と言ってブルートパーズの方へ行く。 カルロス、ジェッソ達に「私に探知させるとトンでもない事になるぞ。たまに嘘言うからな!」 ジェッソ「たまに?」 カルロス「ワザと嘘ついたのはあの時だけですが。」 すると一同ちょっと沈黙!ジェッソ、腕組みしてカルロスを見る。 カルロス「いあ、その。…アレはどうしようも無くて。」と言い「申し訳ない…。」 穣「なんか自分で墓穴掘ってしまったらしいぞ」 護「うむ。」 カルロス「だってああでもしないと、この後継機が私を探知して捕まえる。」 上総「うん!だって逃げるから捕まえろって貴方に言われたし!」 カルロス「だ、だから。とにかく探知出来ないようなトコまで引っ張った。」 上総「ちなみにワザとじゃなくて嘘付いた事あるんですか」 カルロス「というと」 上総「さっき、たまに嘘言うって」 カルロス「…ああ、探知ミスな…。昔はよくやったもんだ…。」 上総「そうなの?」 カルロス「って人の探知ミス話を引き出そうとしても、その手には乗らないぞ」 上総「ええー」 カルロス「上総。お前ちょっと可愛くなくなった」 上総「元から可愛くありません!」 カルロス「お前もそのうち黒船で、探知ミスって恥ずかしい思いをするがいい!」 上総「ミスしません!アンタの後継機だし!」 カルロス「私の後継機って事はミス確定だな!」 上総「性能アップしてるからミスしません!」 ジェッソ「もしもし。そろそろマジメに探知を。どこに着陸するんですか!」 カルロス「ああ。」と言って探知をかけて「お!美味そうな石みつけた!」 ジェッソ「美味そうって」 カルロス「この先になんか凄い所があるぞ。高度を下げつつやや1時の方向へ!」 黒船とアンバーはやや高度を下げて浮島の上に差し掛かる。前方は白い雲の中に消えていて、船の周辺もだんだん曇って来る。 カルロス、黒石剣で方向を指し示しつつ「もう少し行くとケテルの柱が何本かあってその周辺に美味そうな石がゴロゴロある!」 護「でもさ美味い石が売れる石とは限らないから」 カルロス「それはそうだが売れない石を採って石屋に『人工種はヘッポコな石しか採って来ない』と言われるよりは『人工種は美味い石を採って来る』と言われた方がまだマシだ」 護「う、うーん」 カルロス「とりあえず美味い石なら自信がある。というか私が採りたいんだ!」 護「俺は売れる石が採りたーい!」 カルロス「安心しろとりあえずブドウ石と眠り石は売れる事が確定だ。でも他にも美味そうな石が色々あるんだが」 護「まずブドウと眠りだけ採るの!」 カルロス「くぅ」と言って「あ。」と気づいて「今からは普通の採掘だから船内から道具を取って来ないと」 ジェッソ「そうだった!」 穣「すーっかり忘れていたぁ!」 カルロス「とりあえず雲海切りしよう」と言って黒石剣をバッと振るう。 前方が拓けて背の高い細いケテルの柱が何本か立っている地帯が見える。 カルロス「あの柱のちょっと手前辺りに着陸しよう。」 2隻はケテル石林の手前に着陸する。その採掘口のタラップからコンテナや道具を持ったメンバーが駆け下りて来る。 カルロスも黒石剣をホルダーに仕舞ってスコップを持って先頭を走りつつ「まずはあの柱の下だー!」 上総「こっちにもあるよ!」 マリアも「こっちもあるー!」 護「誰がどこに行けばいいんじゃー!」 穣「テキトー!好きなトコ行けー」 ジェッソ「散開!」 カルロス、ケテル柱の近くの草叢にスコップを突き立てると「ここにブドウ石がある!」と言うと、「ん…。あっちに眠り石がある!」と黒石剣を抜いて方向を示しつつ別のケテル柱の所へ走って行く。そのケテル柱の根元には、いくつか岩が突き出している。 カルロス、皆の方に向かって「硬い石を採りたい人、集まれー!」 昴、手を挙げて「爆破いくいく!」と言い「爆風飛ばす人、誰か来て」 穣「あっ、バリア行くから思いっきりブッ飛ばせー!」 昴「おっけー!」 護「怪力も行くよー」とコンテナを持ってカルロス達の方へ 昴、眠り石の岩の前に立つと、穣に「準備いい?」 穣「いつでもどうぞ!」 昴「爆破っ」と言いつつ、バンと爆破をかけると、岩にちょっと亀裂が入って一部分が欠ける。 昴「アレ。これメッチャ硬い。」 カルロス「思いっきり爆破しないと割れないぞ」 昴「遣り甲斐のある石だ!」と言うと「いくぞー、大爆破!」と言いドカンと爆破をかける。すると眠り石の岩がバゴン!と音がして二つに割れる。穣のバリアに小さな欠片が当たって落ちる。 穣「割れた割れた」 カルロス「デカイ塊だと高く売れない。もう少し小さくしよう」 昴「とりあえずコンテナ入れて。そしたら中で亀裂入れるから」 護がコンテナに塊を入れると、昴が塊に手を当ててバンと内部爆破させて塊を細かく割る。
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加