第17章01

2/2
前へ
/161ページ
次へ
その間に他のメンバーはブドウ石の場所を掘っている。 マゼンタ「おっ、出てきた出て来た」と言いつつ土の中からブドウ石の塊を取り出して「なんか芋掘りみたい。」と言いつつブドウ石の連なった小さな丸い塊の一つに力を入れるとボキンと折る。 健「あ。折った!」 マゼンタ「マジで芋みたいな感じで折れる!」 健「どっちかというと生姜」 マゼンタ「芋だよ芋!」 健「生姜だよぉ」と、その時。マゼンタ達の左側で「おおー」という歓声が上がる。 マゼンタ達が振り向くと、巨大な穴からジェッソが巨大スコップでブドウ石の大きな塊を土ごとすくい出した所だった。 マリア「すごいすごい!」 マゼンタ「ちょっとナニソレ凄いんですけど!」 巨大スコップを持ちつつジェッソ「フ…。この感じがタマラン。」 マゼンタ「こんなデッカイ穴、掘っちゃって…。」 悠斗「埋めればいいのだ!」 そんな様子を見つつ、透とメリッサと夏樹の三人は、少し離れた所でスコップで地面を掘り掘りしつつブドウ石を普通に採っている。 メリッサ「怪力の連中って豪快よねー。」 夏樹「まぁ怪力だしねぇ」 透、スコップに手をかけて、ため息つくと「何か出番ないかなぁ。」 そこへ通りすがりのマゼンタが「どしたの。お疲れ?」 透「ここ3人、風使いなんだけど、風使いの能力を使う出番が無いなぁって。」 マゼンタ「はぁ?…俺なんか別に何の能力も無いから出番も何も」 夏樹「能力があればあるで、悩みもあるんだよ」 マゼンタ「贅沢!」 夏樹「何かさぁ、風使いならではの採掘をしたいよね。」 メリッサ「うんうん」 透「せっかく3人もいるんだし」 そこへマリアがマゼンタ達に「あそこにブドウ石あるよ!」と少し離れた草叢を指差す。 マゼンタ「おっけー」 夏樹「マゼンタ君を風でブッ飛ばすか」 透「いいねぇ」 マゼンタ「なんだとう。飛ばすなら飛ばしてみやがれ!」と仁王立ちしてみる。  びゅー マゼンタ君、後ろにスッ転ぶ 透「瞬殺だった」 メリッサ「悲しすぎる」 マゼンタ「くぅ…。」 暫し後。 悠斗たちはコンテナにブドウ石を丁寧に詰めていて、詰めたコンテナをジェッソがアンバーの貨物室に運んでいる。 悠斗、コンテナの中のブドウ石の塊を手に取り「こっちを下に入れた方がいいか」と言い、石をコンテナに入れ直しつつ「丁寧に詰めないと、欠けちまうからな」 マゼンタ「芋は大事にしないと」 その隣では透や夏樹たちが巨大なブドウ石の塊をコンテナにどうやって詰めるか詰め方を悩み中。 上総、石とコンテナの間に微妙にスキマが開いているのを見つつ「これ、緩衝材に土を詰めるとか」 夏樹「土ねぇ…。小さいブドウ石があったら詰めるんだけど」 そこへ悠斗が「小さい欠片なら余ってるぞー。これそっちに詰める?」とブドウ石の欠片が入った小さなコンテナを見せる。 透「うん、それをこのスキマに詰めよう」 するとそこに突然「おお!」と言う声が。ふと見ればコンテナを担いだ護やレンブラント、オーカー、石を担いだ穣や昴がやってくる。一番前に居たカルロスがダダダと夏樹たちのコンテナの所に走って来ると巨大なブドウ石の塊を見て カルロス「これ、どうやって採った!」 上総「俺が地面を探知して、石の周りをグルッと掘って採った。」 透「怪力の人が巨大スコップでドーンと」 するとカルロス、悔しそうに「黒船に先を越されたな」 上総「はぁ?」 カルロス、護を見ると「護!小型船をゲットしたら我々はこれよりデカイ塊を採ろう!」 護、眠り石のコンテナを持ったまま「え。まぁカルさんが探知してくれたら採るけどさ。」 穣「アンタ何を黒船と張り合っとるねん。」 カルロス「一応、個人事業主になりますので」 護「しかし人数多いとデカイ石採れていいよねぇ。船がデカイと沢山積めるし」 穣「デカイ船、持ったらいいやん。」 護「え。」 カルロス「…高い!人件費もかかる!」 穣「稼げ!」びしぃっ!とカルロスを指差す 護・カルロス「…。」 カルロス、ブドウ石を見つつ「とりあえずこのレベルの石は採りたい…。」 透「じゃあ頑張って2人で穴掘り穴埋めしてね」 悠斗「それ掘り出すとデッカイ穴開くからな!」 護「カルさん頑張ろう!」 カルロス「う、うむ。」 上総、ふと穣が抱えている石を見て「それが眠り石?…エネルギーすっごい低い」 カルロス「だろ。さっき叩き起こしたのにまた眠ってしまった。」 マリア「これは探知し難い石だぁ…。」 穣「ま、とにかく船に積むべ。向こうにまだ眠り石入れたコンテナあるし。」 護「全部アンバーに積むよね?」 透「うん。黒船にはあの柱が載ってるから。」 一同が作業していると、ケテル柱を積んだカルナギの船がやってくる。 と同時にターさんが飛びながら「皆ー、そろそろ戻る時間だよー」と叫びつつやって来る。 穣、採掘メンバー達に「んじゃ撤収作業に入るべ」 ジェッソ「撤収撤収!」と言ってから慌てて「ああ、そうだターさん」と言ってターさんの所に駆け寄り、ポケットからインカムを出して「これ、そちらの船に預けます。今後の連絡用に」 すると穣も「あ、んじゃあウチの船のもやっとくわ」と耳のインカムを外してターさんに渡すと、護に「護、俺ちょいとブリッジ行ってインカムのスペア取って来るから」 護「ほいさ」 ターさん、護に「いい石採れた?」 護、ニヤリと笑って「なかなか凄いの採れたよ。多分、石屋もターさんもビックリする」 ジェッソ「うむ。」 ターさん「へぇ。それは楽しみ。」
/161ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加