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一同はテクテク歩いて図書館の中へ
駿河「ホントでっかい図書館だなぁ…」と周囲をキョロキョロ。
カルロス「カナンさんたちは3階の奥の部屋に居る」と言いつつ螺旋階段を上がっていく
そして3階の奥へ…しかしそこには『書庫』というプレートと共に『立ち入り禁止』の表示が。
護「『関係者以外立ち入り禁止』だって」
カルロス「これは探知出来なかった」
ターさん「いいよ俺、下の受付で聞いて来る」と言いバッと飛んでいく。
カルロス「ここで一体何をやってんだカナンさん達は」
護「そういやここに鉱石大図鑑とかいう凄い本があるって言ってたから、それかな。俺も見たい」
カルロス「…周防は鉱石には興味なしだぞ」
護「あら」
そこへターさんがクリップボードとペンを持って飛んでやって来ると「皆、これに名前書いて」
3人はクリップボードの『書庫利用者名簿』に名前を書く
ターさん「行って来る!」と言って飛んで再び下へ行く
護、駿河に「その封筒、なんですか」
駿河「これは、さっきレトラさんが持ってきてくれたもので」と言って中の新聞を出すと護に見せる
護「おお!」
カルロス「ダアトの記事もあるぞ」と裏を見せる
護「おー!ニュースになった!」
駿河「それ、アンバーの分ですから、そのまま貴方にあげます。」
護「ありがとうございます」と言いつつ新聞を封筒に戻す。
そこへターさんが戻って来て「鍵もらって来た!」と言い四角いカードを書庫の入り口の扉の上の四角い部分にかざすと、四角い部分が光ってカチャッと音がしてドアが開く。
ターさん「開いた。入ろう」
一同は書庫の中へ。中に入ると右手に書庫受付があり、左手に本棚の並ぶ通路が伸びている。
本棚の横の通路を少し歩くと大型本の本棚が見えて来る。
護「あ!鉱石大図鑑だ!」と前方の壁の本立てに立てかけてある大きな本を指差し「こんなでっかいのか!」と本の傍に駆け寄ると、表紙をめくって「うわぁ…。」と中表紙の美しい石の写真に目を輝かせる。
駿河「凄いリアルな写真だ」
ターさん「これケテル・イェソド混合石だ。」
駿河「ああ、首都ケテルにあった柱か」
ターさん「うん。この混合石は大死然にしか無くて、しかも滅多に見つからない貴重な石なんだ。」と言い「いつか見つけて採りたいなぁ…。」と溜息をつく
護「採ろう!大死然に行って」
カルロス「それより一旦、周防とカナンさんの所に行かないか」
護「そうだった」と言い本をゆっくり閉じる。一同はその横の階段から上の階へ。
すると本を抱えて歩いてくる周防と出くわす。
護たち「あ」
周防「あれ。どうした…って迎えに来たのか」
護「はい」
周防「もう夕方か…。」と言うと「ちょっとこの本の複写を頼んで来る。」
護「複写?」と言い「あ、その本、俺が持ちます」と言い周防から本を受け取る。すると一番上に書類を挟んだクリップボードがある。
護「複写申請書?」
駿河「図書館の本のコピー取る時は申請しなきゃダメ、って奴かな」
周防「うん。」と言いつつ階段を降りながら「本当は借りたいんだけど無理だからね…。」
護、複写申請書に書かれたタイトルを見つつ「『人工有翼種遺伝子概説』…凄い本だ。」
周防「凄すぎる。何せあの霧島研に無い情報が詰まった本だからな」
駿河&護「ええ!」
周防「カナンが図書館に人工種の本があるというので来てみたら、トンでも無い本が沢山あった」
駿河&護「…。」驚き
ふと駿河、「あれ。ターさんたち、上か」
その頃、カルロスとターさんは書庫の更に奥、テーブルがある所にカナンと共に居た。
カナン、テーブルの上に置いた本の一冊を手に取り目次を見ると「うーん…この本には無いな。」と言って「じゃあ複写はこの三冊だけ」とカルロスに本を渡して「こっちの本は片付けだ。」
ターさん「はい」とテーブルに積んだ本を両手で持ち上げる。
カナン、とある本棚の近くに行き「全部ここの棚の本だよ」
ターさん「ほいー」と言いつつ本棚の間に入って行く
カナン、カルロスに「この後、君達はどうするの」
カルロス「今晩はコクマに泊まって明日、鉱石採掘して向こうに戻ります。」
カナン「え。じゃあ周防さん、今日は採掘船に泊まるのか」
カルロス「はい。」
カナン「もし良かったらもう一晩、周防さんをウチに泊めさせてくれないかな。明日の朝、お返しするから」
カルロス「いいですよ。じゃあそうしましょう。」
ターさん「本、戻しました」
カルロス「じゃあ下に行こう」
カナン、階段を降りつつ「おや」
見ると下の鉱石大図鑑の所に駿河と護がいる
カナン「それスゴイ本だろ」
護「はい!」
駿河「凄いです。」
カナン、カルロスに「申請してくるからアレ見てていいよ。」
カルロス「すぐそこだから大丈夫」
ターさん「じゃあ俺は大図鑑見てる」
カルロスとカナンは周防がいる書庫受付へ。カルロス、本を受付カウンターに置く
カナン、受付に「これも複写お願いします。」
周防「複写が出来るまで時間かかるから皆とあの本みてていいよ」
カルロス「どんだけ複写とったんだ」
周防、カウンターに置かれた薄い冊子を手に取り「これが重要資料保管庫の本の複写で、あとは…。出来上がらんと分かりません。」
カルロス、その冊子を手に取って「これが複写?」
周防「ここは複写を簡単な冊子にしてくれるサービスがある。実にありがたいんだが…」と言い「カナン、かなりの金額になると思う、申し訳ない!」
カナン「いいよ足りなかったら家に戻って取って来るから」
するとカルロスが「私が払っても構いませんよ」
周防「お」
カナン「おお」と言って「まぁまぁまぁ」とニヤニヤ笑いつつパンとカルロスの肩を叩く
カルロス、複写の冊子をパラパラと見て「何の本の複写?」
周防「御剣さんが書いた本だ」
カルロス「…御剣?もしかして」
カナン「黒船の皆がダアトに行ったそうじゃないか。そこに御剣研があったと」
カルロス「ていうと何年前に書かれた本」
周防「300年以上前だな。かなりボロボロな本なので複写は渋られたが何とか懇願して取ってもらった」
カルロス「…そんな貴重な複写なのか…。」と冊子を眺める
周防「この図書館には霧島研には無い人工種の情報が沢山ある!まぁ霧島研には今の人工種のデータがある訳だが」
カナン「つまりこの図書館と霧島研を足すと、人工種の昔と今が繋がるって感じだ」
周防、ふと「あ、そうだ。」と言い、カルロスに「帰りにダアトに寄ってもいいかな」
カルロス「船長に聞いてくれ。多分行くと思うけど。」
周防「あとター君の血液を採りたい」
カルロス「じゃあこの後だな」と言い冊子をカウンターに置いて鉱石大図鑑を見ている護たちの方へ行く。
すると。護、図鑑を見ながら「これ絶対カルさんが乘って来る」
ターさん「うん、これはカルさん興味津々」
そこへ来たカルロス「何が」
駿河「名前の無い石。」
護「死然雲海Aとか死然雲海Bとか暫定的につけてある。ケテル・イェソド混合石が更に変化した石なんだけど、まだ有翼種の誰も採った事が無いという。」
駿河「昔、人間が雲海で拾ってイェソドに持ってきたらしい」
カルロス「人間が?って事は、黒石剣みたいに人間が触れる石なのか」
駿河「だろうね」
護「現物はもう無くて、残ってるのはこの写真だけなんだってさ」
ターさん、カルロスに「人型探知機の血が騒ぐでしょ?」
カルロス「…うんまぁ。」
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