序章 『外に出たい。』

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…数日後。 採掘船アンバーの採掘準備室に、メンバー一同が横一列に並んでいる。 一同に向かい合うように、緊張の面持ちの護と透が並んで立っていて、その少し横に剣菱が立つ。 護「…初めまして、採掘船ブルーアゲートから参りました十六夜護と申します。穣さんに代わって、新しくアンバーの採掘監督になりました。自分は採掘監督を務めるのが初めてでして、穣さんに比べて経験もありませんし至らない所も多いかと思いますが」 そこへ突然、穣が「挨拶、長ぇ。」と口を挟む 護「え」と穣を見る 穣「まぁでもブルーから満が来なくて良かったなー。」 護、穣を睨みつつ「穣さん。長兄は貴方の事を心配していました!」 穣「五人兄弟の中で次男が一番ヘッポコだから心配だって?」 護「…そんな事は」 穣、溜息ついて「このガチ真面目な四男が来るたぁ…。まぁ三男が来るよりはマシだが。末子はウェルカム。」 すると透がちょっと微笑しつつ「ブルーから来ました十六夜透です、宜しく。」 護の内心にちょっと嫉妬心が起こる(また透ばっかり…。)しかしそれを悟られないように、一同を見回しながら「…と、とにかく。自分は採掘監督として、失態を犯したアンバーを何とかしたいと」 それを聞いた瞬間、穣が「失態?…外地に出た事が失態なのか」 護「それはそうです!」 穣「あっそう。じゃー頑張って汚名挽回しないといけないなー。頑張りまーす。」 護、そんな穣を睨みながら(…ここで成果を挙げなければ俺は長兄に認めてもらえない…!) 護、一同に「皆さん、頑張りましょう!」と叫ぶ 一同、全くヤル気の無い感じで「はーい」と返事をする。 穣、はぁ…と溜息をつくと、額に手を当て悔し気な表情で 『これが、外地に出た事への制裁かよ…。』
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