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はじまり
フリースクールはたしかにわたしが無理をしないでいられる場所だった。ここでの生活はのんびりしているようで密度が濃くて、やっぱり決断してよかったのだと思う。
青司くんとはあまり実際に逢えるときが少なくなったけども、毎日ほんのちょっとでも電話でお話をしていた。
あっというまに卒業の日が過ぎた。
合格発表の朝、青司くんとわたしは発表を見に行った。
「合格してる!」
青司くんのほうが先に確認できた。
「翠は?」
「怖くてまだ見られない、かわりに確認してくれる? 受験番号はこれだから──いや、自分で確認する!」
わたしも合格していた。
まったく実感がわかず、なんだか夢をみているようだった。
「これから三年間、改めてよろしく、翠」
「ありがとう、こちらこそよろしく! でも、青司くん、たった三年間じゃない、ずっとだから──!」
【了】
12.May.2021
Special Thanks
★鎌倉市図書館さま
作中に出てくるツイートは、実際に鎌倉市図書館さまが7年ほど前にツイートしたものです。
出典を明記してくれればと、引用を快諾していただけました。ありがとうございます。
★東里胡ちゃん
「青春もの」が読みたい、という言葉でとりあえず書けました。きっかけをくれてありがとう!! なかなか難しかったです。
★ツバキちゃん
Unsplash、エブ友の皆様、どちらかを考えているときに絵を描いてくれてありがとう。セーラー襟なども描き込んでくれるといいな、とか注文にもこたえてくれて、さらに感謝。
そして、もしこの作品が、学校のいやな子に読まれ、心に刺さったら……と思います。とにかく読んでくださった方々ありがとうございます。
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