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発覚 5-2
「わかってます。でなければこんなことをする子じゃない、翠は」
わたしは言葉を選びながら、ばらばらになった言葉をむりやりつなげてお母さんに話す。
「そう、単純な休み癖やさぼり癖がついたわけじゃないのね」
わたしはあわてて首を左右にふった。
「そんなに学校やうちが嫌いなの?」
「うちはそんなでもないけど、テレビがイヤ」
「テレビ?」
「うん。うるさくてつまらなくて、しかもそれを見てないとおかしいみたいな……」
「まぁ、翠の気持ちはわかったから。あとでお父さんが帰ってきたら、ちょっと相談してみます。勉強はちゃんとするのよ」
「はい」
わたしは自分の部屋に入ったとたん、涙が止まらなかった。
やっぱり自分はおかしいのかもしれない。
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