いつまでも画の中で笑う君

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久しぶりの休日だからとどこかへ出かけるわけでもなく、自室にあるパソコンの中を整理しようと思い立ったのが今朝のことだった。 一通りの身支度を済ませてパソコンを立ち上げた私は、もう何年も開いていなかったフォルダを見つけた。 「────こんなところに。」 何かと思ってフォルダを開けばパソコンの画面に映るなつかしい思い出達。 もう数年は前になるのだろうか。 時々手を止めながらも、ぽちぽちと画面を進めていく。 「あ、」 思わず声が漏れた。 そこに映っていたのはゲーム友達だった男子生徒。私が一緒にゲームをできる人は彼しかいなくて、私から誘ったこともあったし、彼から誘ってくれてゲームをしたこともあった。ゲーム友達であったと同時に、私が心から話すことの出来る人でもあった。 「あの時は楽しかったなぁ・・・」 成績も優秀で、品行方正な彼は友達も多かった。そんな彼の色が今でも画面の中にはっきりと残っていて、なぜか無意識のうちにほっと息をついた。
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