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「実は、次がご紹介できる最後の異世界なのですが」
異世界というのは意外と種類がないのかもしれない。ファストフード店のセットのおもちゃの方がまだ豊富なラインナップだろう。
「これは宇宙を舞台とした世界観です。誰もが宇宙用戦闘機を駆って、文字通り銀河規模の戦争を生き抜いていきます」
返事をする余裕はない。俺は今まさに宇宙船を操縦して敵国の戦闘機とドッグファイトを繰り広げているのだ。
暗黒の真っ只中、岩々の間を駆け巡る。いくつものスイッチと画面を操作し、操縦桿を前後左右に忙しく動かす。すぐ横では、後方の敵機から放たれたビームが流れ星のように飛び交っていた。
「補足説明ですがこの世界はこれまでの世界で最も死亡率が高く――」
その先は聞こえなかった。警告音と、一瞬感じる熱。
「……撃墜されましたねっ!」
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