好奇心が止まらない

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「はあー。まじか」 花は鏡に映る自分の姿を見て溜息を繰り返す。胸元の開いた薄いピンク色のブラウスに黒のミニスカートの裾にはレースが付いていて、ざっくりと深く刻まれたスリットが入っている。 「えっろ……何この深夜アニメに出て来そうなコスチュームは。お姉さんがお勉強教えてあげます……的な? しかも悲しいくらいに似合ってない……胸の大きさ? 締まったウエスト? むっちりとした太もも? 何かが私には足りてない」 「花ーまだー? 早くー」 悠のご機嫌そうな声が聞こえて溜息を付きながら、鏡とおさらばする。こんな露出狂みたいな姿で悠の前に行くことには抵抗があった。だけど、ここに20分も閉じこもったままで、これ以上出てこないと無理やり脱がすと悠に脅されていた。 「……はあ。どこを隠せばいいのやら……」 花はせめてもの抵抗でバスタオルを腰に巻いた。 「……できました」 「あれ? 何そのタオル。いいの? 俺が脱がしても」 「わっ。嘘……冗談っ。脱ぐ脱ぐ脱ぎます……でも約束通り電気は明るくしないでよ? 」 「わかってるって。早くOLのお姉さん」 何の因果でこんな辱めを受けているのだろう。花はバスタオルを取って、せめてもの抵抗でスカートの裾を伸ばした。 「うっわ。えっろ。でも何かイメージ写真とちょっと違う」 口に含んでいたシャンパンを軽く吹き出して悠は笑う。花はもう怒る気力もなかった。 「……だよね。心から同じ気持ちよ」 「嘘嘘。花の方が何百倍も可愛いよ。はい。じゃあ、お祝いして」 「お祝い? 」 そう言って悠は花にシャンパングラスを渡す。お祝いと言う言葉に人はなぜか弱い。花はすっかり誕生日のお祝いと言う言葉の奴隷のようになっていた。 「大好き悠。お誕生日おめでとうって言って、シャンパンを口移しで飲ませて」 悠は自分の唇に人差し指をつけて、花におねだりをする。 「えっ? えっ。何それ。もう! そんなこと出来ないし……そんな簡単にそんなこと言えるわけないでしょ! もう! 何かいい加減調子に乗りすぎじゃない? もうこの服脱いでくる」 さすがの花も自分は何故ここまで悠の言うことを聞いているのかと気が付き、ストライキを起こした。 「あー。嘘嘘嘘嘘。ごめん、ごめん。ちょっと調子に乗っちゃった。花……ごめんって」 背を向けた花の手を掴んで、花の持っているシャンパンを口に含む。そのまま花の顔を掴み、舌をからめながらシャンパンを口移しした。 「ん……」 シュワシュワと口の中で弾ける泡と苦みのある味が、舌の柔らかさを一瞬麻痺させて、冷えたシャンパンが舌から喉へ滑り落ちていく。泡の刺激が消えると舌の柔らかさだけが残って、また熱を取り戻していく。 口からこぼれたシャンパンは花の唇から首元へ。それを追いかけるように悠は花の首筋に舌を這わせていく。 「あっ……ん。冷た……」 一滴のシャンパンが花の胸元に流れると、悠は膝をついて花のブラウスをめくる。お腹の辺りから舌を這わせて、徐々に上に。垂れたシャンパンを悠は舌で飲み込んだ。 「このまま舐めても良い? 全部」 下から花を見上げて、甘えた声で聞く悠は花の背中に手を回す。ブラジャーに手をかけようとすると、花はシャンパンを口に含み、しゃがみ込んで悠にキスをした。舌から滑り込ませるように悠の口にシャンパンを流し込む。 「今は……これで許して。もう心臓が破裂しちゃいそう」 「いいよ」 そう言って悠は花の濡れた唇を指先で拭って、またキスをした。 「とりあえず……食うか。OLのお姉さんがお腹空かせてるから可哀想だ」 悠は花のお腹を撫でながら無邪気に笑う。 「……そうだね。もう……ドキドキしたり笑ったり疲れたよ」   長い時間をかけて、ようやく2人でソファーに腰を下ろした。
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