好奇心が止まらない

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「おっ。始まったな。ん? お……なるほど。設定があるのか。えーと親の再婚によって、義理の兄妹になった2人が、性欲を抑えきれずに……」 「ちょっと! いいから! 読み上げなくて」 「なるほどな。まだ子供だった2人が成長し、初体験を迎えると言うことか」 「……え、あ、うん。そ、そうね」 幼さを残しつつも、パンツを事あるごとに見せまくり、何も知りませんみたいな顔をして、兄の体を隈なく洗う妹に、ついに興奮が抑えられなくなった兄は、とても手際良く妹のブラジャーを外していた。2人とも未経験……? んなわけ……いや、未経験だからこそ、年頃の妹は無邪気に兄にパンツを見せ、裸を見せ、挙げ句の果てに兄の大事な場所をゴシゴシぬるぬると石鹸をつけて、おっぱいを擦り付けるように洗っていたのだ。花は自分の心が穢れてしまったのだと、この2人が本当に初体験を迎えようとしていると信じている悠を見て、どうにか思考を戻した。 「なんだ? これは。嫌がっているのに嬉しそうだな」 悠は真面目な表情で、テレビに映し出される男女の行為に疑問を持つ。 「それはまあ。嫌よ嫌よも好きのうちといいますか……」 花が呟く。 「イヤヨイヤヨモスキノウチ? 何のスローガンだ」 この言葉を再現しようとすると、脳内で茶番劇が始まってしまい花はまた口を閉じた。 「ほら……初体験同士だからね」 「そうか。しかし何だな。この2人は初体験なのに、なかなかスムーズに進んでいくなぁ。やっぱり俺みたいにこうやって勉強をしたんだろうな。エロは奥が深いなぁ」 「……そうね」 私は穢れているのかも知れない。だけどやっぱり、どう考えても、これはフィクションで、いつの間にかノリノリで下半身を押し付ける妹と、あまりにも手際のいい兄が未経験な訳がないと花は思った。ビデオを観ながら花は、ソファーに体育座りをして体を丸めて、丸見えになるパンツに必死でスカートの布を集めた。 「おいっ。おい花! 大変だ。テレビが壊れたぞ」 「えっ? 」 「ほら。あそこの部分だけ電波が……」 悠が指をさす場所で、パンティを脱がされた妹が兄に足を開かれていた。胸への愛撫が済んで、下半身に向かうところだった。 「モッモザイクよっ。ばかっ」 花は悠の肩を叩く。 「モザイク? そんな事をしたら見えないじゃないか」 悠は真剣な顔で花に聞き返す。 「あっ、あんな所は人様に見せてはいけないの! 」 「なぜだ? お兄さんは見ているんだろう? まさかお前にもモザイクが……」 「馬鹿っ。ある訳ないでしょ! 知らないの? あの場所はモザイクかけないと映像とかで流しちゃいけないのよ」 「ふーん。色々と決まりがあるんだか。まぁ俺はこれからお前のを今から見るけどな」 悠はにやりと笑う。 「もう。本当に馬鹿……」   花は頭を抱えてまた体を丸めた。 「じゃあ俺はどうしたらいいんだ。これじゃあ勉強にならないじゃないか」 「モザイクかかっていたって大体分かるでしょ!良く見てよ……いや、見なくたって良いんだけどもう……ややこしいなぁ。私だってそんなこんなエッチな映画の解説なんてしたくないよ」 「ふーん。そうか。しかし大体分かって来た。どうも俺は女が男を襲うものだと思っていたが、こういうものなんだな」 悠は頬杖をついて、自分なりに理解をしているようだった。 「あ、まずそこからね。まぁ別に女性から男性を襲うなんてことも無くもないんだけど、最初なんかはこう言う風なのが多いかな……」 悠の変わった経験談を思い出すと、花は少し優しくなった。 「……花。やばいな。こんなもの見てると興奮してくる」 気が付けば悠も体育座りをして、体を丸めていた。 「花も? 」 「……うん」 花は抱え込んだ膝に顔を埋めて、素直に返事をした。人間の五感は良く働く。
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