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前日にどの服を着ていこうか、決めてはいたけどこれでいいのかなとか結局当日も悩んでしまう。
時計をチラッと見るとそろそろ家を出る時間に近づいていた。昨日決めていたチノパンに白いTシャツ、それに薄手のカーディガンを羽織る。
デートとはいえ、ピクニックだから動きやすい服装のほうがいいと思った。
今日は広瀬さんが車で迎えに来てくれる。
都内で会社近くに住む広瀬さんが車を所有している事実に少し驚いたものの、お弁当など荷物もあるから確かに車があった方が便利だと思った。
私はリュックを背負って、家を出る。
ちょうど玄関を出てすぐに広瀬さんから電話がかかってきた。
「もしもし!」
「おはよ。今お前の家の目の前に車停めてるから」
「わかりました!今行きます」
エレベーターに乗り込んで急いでボタンを押す。
広瀬さんと休日にこうやってどこかへ行くなんて夢のようだ。
エントランスを抜け、すぐに広瀬さんの乗っている車が目に留まる。
私は手を振って、近づく。たどたどしく、私は車のドアノブに手をかけ開ける。
「おはようございます!」
「おはよ」
軽く頭を下げてリュックを前で抱きかかえるようにして車に乗り込んだ。
広瀬さんが随分デカいリュックだなっていうからお弁当箱が大きくて、と返した。
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