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お弁当を食べることになって、私は作ってきたお弁当を広げる。
すぐに広瀬さんから感嘆の声が漏れ、嬉しくて顔が火照ってしまう。
「めちゃくちゃ大変だっただろ?」
「いえ、そんなことは」
「美味しそう、食べていいの?」
私は頷いて、広瀬さんが唐揚げを口にするのを見る。
すぐに「うまい」といってくれてほっと胸をなでおろす。
私もおなかが空いていたからすぐにおにぎりを口に含む。
「瀬名って意外と食べるよな」
「あー、そうですよね。実家が大量に食事が出るんですよ。それが残っているから自分でも作るとき多めなんです。今日も多かったかなぁ」
「そんなことない。美味しいからいくらでも食べれる」
広瀬さんの言葉はいつも私の胸を騒がしくする。
キュンとさせたり、切なくさせたり、驚かせたり。
休んでいる暇などない。
食べ終わり、二人で散歩することにした。
あまり来たことはないけど、日本庭園などあって十分に楽しめる。
「来年は桜の時期にきたいなぁ」
それは別に彼に向けていった言葉ではない。独り言だった。
でも、広瀬さんがすぐに「じゃあ来年、また来よう」そう言った。
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