デートと、合鍵と

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そろそろ眠る時間になって、私たちはベッドへ移動した。 眠くなってきて瞼が重くなっていく。 ベッドの中へ入って隣の広瀬さんと微妙な距離をとって目を閉じる。 あと数センチほどで手が触れそうだし、肩も触れそう。 でも自分からくっつくのも恥ずかしいし、何より眠たいから目を閉じる。 でも。 「眠いんだ?」 「…ぁ、睡魔が…」 「俺は全然眠たくないけど」 そう言って、広瀬さんがこちらへ体を向けるとウトウトする私の顔を覗き込む。そして、彼の手が私の頭を撫でる。 恥ずかしいよりも気持ちがよくて思わず頬を綻ばせる。 「今日も抱きたかったのに、お前すぐ寝ようとするから」 「…へ、今日も?」 ほぼ毎日しているから今日はしないものと勝手に思っていたけど広瀬さんは違ったようで、私はごめんなさいと謝った。 広瀬さんはふっと笑って、謝ることじゃないからといった。 「広瀬さんは…どういう恋をしてきたんですか?今までどのくらいの人と付き合ってきたんですか」 意識を手放しそうになりながらも、私はなんとなく今まで聞きたかった恋の話を彼に投げかける。もしかしたら嫌がるかもしれない、それでもいい。 全部知りたいと思うことは普通のことだ。 広瀬さんは、一瞬戸惑うような目を私に向けるがすぐにいつもの優しい笑みを浮かべる。 「普通だよ。お前で10人目くらいかな」 「10人?多すぎませんか」 「何その膨れっ面。妬いてんの?」 私はムスッとしたまま頷いた。このままじゃいい夢を見ることが出来なさそうだ。
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