母ちゃんは帝王

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「......」 「......母ちゃん?」 「ひれ伏せ小童、朕は帝王なるぞ」 「母ちゃん?」 「給仕はまだか?朕はお腹が空いた」 「母ちゃん!?」 母ちゃんが帝王に豹変した。 「小童、宿題は済ませたのか?」 「い、いや、まだだけど......ていうか、その小童って呼び方なに?」 「それが帝王なる朕への言葉遣いか?二度はない、口を慎め」 「え?う、......あ、はい」 「すると、貴様は宿題をせずして余暇を謳歌しようというわけか」 母ちゃんがスゥーと息を吸い、瞳孔をかっぴらく。 「笑止千万!!片腹痛いわ!!」 「休息は労働効率を上げるためにある。だというのに労働もせず惰眠を貪るだと......?」 「そうして得られるものはなんだ?言ってみろ、小童」 母ちゃんが問いかけた。 俺はただただ困惑していた。いったい母ちゃんはどうしてしまったんだ......? 「えと、健康とか余裕とか、でしょうか......?」 「愚昧な考えだ。惰眠を貪るメリハリのない生活を健康と呼べるか?宿題を後へ後へと溜め込む状況を余裕と呼べるか?」 「よいか小童。健康とは規則正しい生活を送ることから始まる。余裕とは義務を果たすことで生まれる」 「さあ、筆を執れ。今日は有給だ、朕が宿題をみてやろう」 いったい母ちゃんはどうしてしまったんだ......? その後、俺は帝王によって勉強漬けにさせられた。
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