ヒロインに転生したけど原作は崩壊してました。~何をどうすればこうなるの⁈~

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「あ、あの。少々よろしいでしょうか、ルルシーナ殿下。」 「どうかしましたか?エマ嬢。」 「ヘンリー殿下はどうなるんでしょうか?」 ほんとに第二王子の事が好きだね、異母妹は。あれのどこが良いんだか。 「そんなの、王位継承権と身分を剥奪して奴隷落ちに……」 「臣下に降らせて公爵位を与えるのが一番望ましいですね。レイお兄様…グランツウェル公爵が言ったことは無視して良いですよ。あれはただ、私情を挟んだだけですから。」 「どうして私が公爵なんだ。兄上が国王だなんて間違っている。」 「それを決めるのは私達です。まさか、私達とあなた方が対等だなんて考えてませんよね?」 「それと、別に第二王子殿下が国王になっても別にどうでも良い。ただ、僕達との同盟はなくなるけど。この国は別にうち(アルメラ)の属国じゃないんだから王太子を誰にするのかはそちらの自由だ。」 まぁ、内政干渉になっちゃうもんね。評定者のもある意味内政干渉かもしれないけど選択権はこちらにあるからセーフってところなのかな。 「すみません、ヘンリー殿下。わたくしのせいで。わたくしがヘンリー殿下を頼ったせいでヘンリー殿下の信頼を失うようなことを。すべてはわたくしの責任です。」 「エマ、あなたは身内を信じすぎよ。別に親しい人だろうが少しは疑う事を覚えたほうが良いわ。私たちは貴族なのだから。私はさっき、セントポーリア公爵家とは縁を切ったけどね。まぁ、それはともかく、裏をかかないと社交界で生き抜けないわよ。」 「お姉様はわたくしの事が嫌いではないのですか。」 「別に、嫌いでも好きでもないわ。あなたは私の異母妹という認識しかないもの。」 「すみません、お姉様。お母様とジェームズの言葉を鵜呑みにしてしまって。お姉様がやったわけではなかったのですね。」 異母妹は素直すぎる。このままじゃ直ぐにお腹が真っ黒な狸達の餌食になるわよ。私の言葉をなに、素直に聞き入れてるわけ? 「は?つまりはジュリアがエマにした事は冤罪だという事か?」 まだ気付いてなかったのか。まぁ、気付いても気付かなくてもどっちでよかったけど。あ、でもレイ様に嫁ぐから評判は良いほうが良いし気付いてもらえてラッキーかも。 「当り前だ。ジュリがそんな事をするはずないだろ。第一、お前の婚約者でもないのだからする必要がない。そこの異母妹に対しても完全な無関心じゃないか。少しは家族としての情はあるみたいだけど。」 レイ様は私の事を分かっていてくれてるのね。嬉しすぎる。
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