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そして、二作目は【だって君は僕の最愛の人】というアルメラの子爵家の庶子がヒロインだ。アルメラの第一王子で現在の王弟がヒーロー。そして、レイ様とルルの義妹が悪役令嬢だったはず。とはいえ、全然悪役じゃない。ちょっと嫌味を言った程度。しかも正論。それに、後にわかる事だけどヒロインへの虐めも裏で止めてた。二人の関係は希薄で完全な政略婚約だったはず。ヒロインが最高学年の時に編入してきてそこから半年ほどでヒーローとヒロインは関係を深めて卒業パーティーで悪役令嬢を断罪って感じだった。でも、悪役令嬢悪くないじゃんと賛否両論が分かれた話だったりもする。
その、悪役令嬢残ってレイ様とルルの妹だとは書かれていても義妹だとは書かれていなかったはずだけど。それに、こちらもまた現実ではヒーローと悪役令嬢が結婚したはずだけど。しかも他国であるグロリオサにまで仲睦まじい夫婦という評判が届いておりますが。
そして、最後の三作目は【だって君は僕の愛しの人】というジュリアがヒロインでレイ様がヒーロー。この作品に悪役令嬢はいない。スピンオフみたいなものだったし。この作品のヒロインって謎が多かったんだよね。作中でもただのジュリアとしか書かれてなかったくせに平民ではなさそうだったし。でもヒロインになって分かったわ。今みたいな茶番があって公爵家を追い出されたんだろうな。
にしても、私がヒロイン⁈そんな柄じゃないっ!
まぁ、いいか。原作は崩壊しているっぽいし。よって私はヒロインだけどヒロインじゃないっ!
「……、…リ、ジュリ?どうしたんだ?」
「ジュリお義姉様、もしかしてレイお兄様の言葉が嫌でしたか?」
「いや、嫌っていう訳じゃないよ。ただ少し考えてただけ。」
私が考え込んでいたから二人に話しかけられても反応できずに心配かけてしまったみたいだ。
にしても、物語始まらないじゃん。私、このままだとレイ様のお屋敷に行くんだよね。やっぱり、原作は崩壊している。だって原作では街中でお忍び中のレイ様と出会っているもん。
「ジュリ、もちろんアルメラでは僕の屋敷に……」
「安心してください、ジュリお義姉様。レイお兄様は結局のところ獣ですからね。結婚式を挙げるまではルクナティア邸で預かりますよ。」
ルクナティア邸ってレイ様の実家‼うわぁ~、楽しみ。でも、ルクナティア公爵たちとはあまりあったこと無いんだよね。大丈夫かな?
「えっ⁈ルル?聞いてないよ。」
「言ってませんからね。お母様もお父様も楽しみにしてますよ。」
「本当に⁈よかったぁ。ふふふ、レイ様が育った場所かぁ。」
「まって、別に僕の屋敷でも良いよね?」
「何を言っているんですか、レイお兄様。そこならジュリお義姉様も休みの時に来てるじゃないですか。」
「でも、ジュリの婚約者は僕だよ?」
「では聞きますがその婚約者を自分の屋敷に放置することになってもよろしいんですね?」
「は?」
「レイお兄様の事ですからすぐにジュリお義姉様に手を出そうとするでしょう?だからそうならないために帰ったら仕事がたっぷりありますよ。」
あれれれれ?どうしてかしら?レイ様とルルが私をめぐって争っているように聞こえるのだけど。え、実際争っている?どうして?私がレイ様の実家に思いをはせている間に何があったわけ?
私の疑問に答える人はいないけどとりあえず言わせてほしい。
何をどうすればこうなるの⁈
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