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「申し開きぐらいなら聞くぞ。ただし、聞くだけだがな。」
「いいえ、何もございません。」
あら、驚いてる。別にねぇ、たとえ第二王子だろうが私との婚約を破棄することなんてできないし。でも、国王と王妃の二人が静観しているのが少し気になるな。二人とも顔が真っ青だから止められているのかも。それとも、第二王子だけ切るのかな?どっちもの可能性もあるか。まぁ、流石に他国の人間もいるんだから第二王子は少なくとも王籍を剝奪されるよね。せめてこの前あった学園の卒業パーティーの時だったら良かったけどあれは卒業生限定だからエマは年齢の問題で出れなかったからなぁ。だから役者がそろっているこのパーティーで事を起こしたのかな。あとは、国王達に直訴でもしても認められなかったからここで宣言しちゃえとでも思ったのかも。王族の言葉は重いからね。そうしたら、絶対に婚約破棄できるとでも思ったんでしょう。でもさ、周りの貴族たちの視線に気づいてるかな。皆、呆れたり面白がったりしてるよ。私には異母妹を害したって言われてるから軽蔑とかそういった視線が多いけど。それにもともと私、評判悪いしね。
「な、無いのなら別に良い。そなたの公爵令嬢としての身分剥奪としこの国の筆頭公爵家の公爵令嬢を害した罪で国外追放とす。未遂だからこれだけで済んだのだ。」
それを言うなら私も元は筆頭公爵家の公爵令嬢なんですけど……
という、ツッコミ(?)は置いといて国外追放、ね。これは都合がいいかも。
「…全ては第二王子殿下の仰せのままに。
でしたら、この書類にサインを頂けるでしょうか?」
念のため用意しといてよかった。私がこの書類を用意したのは不思議に思わないとか第二王子が国王になったら、この国終わらない?それに不用心だし。最初の書類しか見てないとか。これ、二枚目の書類には別の内容が書いてあるんだけど。まぁ、いいや。そのおかげでうまく進んだんだし。一枚目を私がセントポーリア公爵家との縁を切るという書類にしといて良かった。
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