ヒロインに転生したけど原作は崩壊してました。~何をどうすればこうなるの⁈~

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私が混乱している間に自体は急変した。私たちの元には輝くプラチナブロンドを顎のラインで切りそろえ、釣り目気味で鋭く見える紫の瞳をもった一人の美青年がやって来たからだ。 「その通りだよ。僕がハリーに頼んでいたんだよ。僕の愛しの婚約者に何かあったらよろしく頼むと。」 「レイ様っ⁉」 「ごめんね、僕の可愛いジュリ。大変な時に一人にしてしまって。予定外のアクシデントがあったから遅れてしまったんだよ。ようやくジュリが僕のものだってみんなに知ってもらう機会だっていうのにね。」 レイ様は私の本当の婚約者でアルメラ王国という国の王族。公爵位と伯爵位を持っていて外務大臣でもある。事前に念話(テレパシー)という魔法で聞いてたから遅くなるのは知ってたけどどうして、レイ様が第一王子と知り合いなの?っていうか、第一王子を愛称で呼ぶ程仲良いわけ? 「兄上、彼は誰です?それに、ジュリアは私の婚約者だったはず。たった今、破棄できましたけど。」 「それは僕から話そうか。僕はレイモンド・メラ・グランツウェル公爵…とでも名乗っておこうかな。」 「なっ。」 第二王子は五大国の一つのアルメラ王国の王族ってことでおどろいてるけどさ、銀髪に紫の瞳ってところで察しようよ。それにレイ様は外務大臣なんだから外交も担当してるんだし。第二王子も何回かあったことあるはずだよ。周りも隣の人と話すとか動き始めてるよ。実は第二王子って勉強ができる馬鹿なのかも。うん、ありうるね。 ちなみに、アルメラでは貴族はフォン、王族はメラを付けるのがルールでグロリオサでは王位継承権を持っている者がヴァンを付ける。あぁ、でもアルメラの王族はフォンを名乗るときもあるみたいだけど。 「君がジュリと僕の婚約を知らないのも無理ないよ。だってこの国でこの事を知っているのは国王夫妻にハリーとエミリー妃、それに今は亡き元セントポーリア公爵夫人だけだからね。 まぁ、ジュリをどうして己の婚約者だと間違えたのかは知らないけど。この国では表向き、君の婚約者候補ではあったけど、婚約者ではなかったよ。」 はぁ、レイ様カッコいい。最後の方で第二王子に怒ってくれてるのも嬉しい。早く嫁ぎたいなぁ。 「そうだ、丁度いいから今言っちゃおうか。この国に派遣した評定者と陛下が下した判断。」 評定者?評定者って五大国が自国の同盟国に相応しいかを判断する人だよね。来てたんだ。 「まさか、レイモンド殿が評定者ではあるまいな。」 「第二王子殿下、君に名前を呼ぶ許可を出した覚えはないよ。僕の事はグランツウェルと呼んでもらえるかな?それと、評定者は僕じゃないよ。本当はジュリのそばに行けるから僕が良かったんだけどね。これ以上はばらさないよ。君たちが自分で気付いたのなら良いけど僕達からばらすのはダメだからね。」
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