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暗い部屋
「小雨ちゃん―。」
扉の鍵が開いていたのではいった。
相変わらず暗い部屋。
リビングに踏みこむと、グシャと何かを踏んだ。
「電気、つけますねー。」
僕がつけると。
誰が見ても引くであろう部屋が広がっていた。
本当に僕で良かったです。
部屋中に落ちている紙。
そして、洗濯物もたまりきっている。
キッチンは使われていないようだ。
本が積まれていて、小雨ちゃんの姿が見えない。
『誰、ですか?あ、来てたんですね。』
洋服の山で埋もれたソファから顔を出す。
そのとき、本棚から本が落ちてきた。
空中でキャッチ。
『お茶、出しますね。』
「いや、まずは部屋の片づけをしない?」
『確かに最近、忙しかったから。』
エヘヘと、困ったように笑う。
『あの、薬、ありませんか?
確か、この前まではあったんですけど。』
「これじゃない?」
ペコリと頭を下げてから薬を受け取ったと思っ
た。
その時、小雨ちゃんは後ろに倒れていった。
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