TRUE END

6/7
前へ
/7ページ
次へ
 ガシャン! と大きな音がして、僕達三人は飛び上がった。松山達を追うべきか躊躇していた僕らは、その音が右の方からしたことに気づいて我に返った。 「今のヤバくない?」 「行こう!」  もつれそうな足で雑草をかき分けて音のした辺りへ向かうと、中腰で固まっている新居浜と、棒のようなものを持った松山がいた。 「うわ! 待て松山、早まるな!」  思わず叫んでライトを顔に当てた。松山は棒きれを投げ出して目を庇った。 「馬っ鹿、よせ! 眩しいだろうが!」 「新居浜、無事か!?」  新居浜は、そこでようやく反応し、呆気にとられたような顔でこっちを見た。 「あ、ああ…」 「…なあ、さっきの音って、もしかしてこれか?」  いち早く冷静さを取り戻した今治が、建物にライトを向けていた。辺り一面、飛び散ったガラスに光が反射している。くすんだ壁に、所々ガラスの破片が残る白茶けたサッシが嵌っていた。ここだけ木製の雨戸が外れて、窓が剥き出しになっていたようだ。 「ああ、割ったら入れんじゃねえかと思って」 「……」  いいんだろうか、壊しても。  まあ、勝手に入ろうとしてた時点でアウトではあるんだけど。 「でも、このまま入ると危ないよ」  身を乗り出そうとしている松山を、西条はあちこちで飛び出している破片を指して止めた。 「…こうすりゃいいだろ」  松山が腕を窓枠から差し入れる。しばらく探っていると、パチンと音が鳴った。鍵を開けたのだ。ガタつくサッシをなんとかスライドさせ、上がり込む。 「どーすんだよ、全員来んのか?」  廊下らしい場所から見下ろす松山に目を向けた今治が、「ひ…っ」と喉の奥で引っかかるような悲鳴を上げた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加