まどかの永年保証

1/1
82人が本棚に入れています
本棚に追加
/165ページ

まどかの永年保証

「日和見なのかとおもえばそうでもないんだよな。長期戦も辞さないっての?」 「そんなかっこいいもんじゃないですよ。 でもまぁ三浪してますから、諦めは悪いほうですよね」 キョウジは照れて自虐的にそう言った。 「お前や莉奈は総じて弱いって前に行ってたけどさ、そんなことないよ」 あたしは二人に言ってやった。 「あんたたち今どきの若者って、なんだかしなやかな強さがあるよな。 柳みたいにひらひらすり抜けて手応えとか感じねぇんだけど、なんだかんだで自分を通すみたいなさ」 「え? そうですか?」 キョウジはキョトンとしている。 「あんたも莉奈も強いよ。間違いない。あたしが保証する」 そう言ってやると、二人は顔を見合わせて照れたように笑った。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!