守護

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守護

 目には映らないが何かの気配をヒシヒシと感じる。 心臓がバクバクと音をたてる。  あたしの手の中で優也がピクリと()け反った。 「優也!?」 思わず声をあげると、優也はビクッビクッと痙攣している。 「優也、優也? ダメ、いかないで!」 あたしは大声で叫んだ。 その時あたしの背中から何かが飛び出した。 パァン! 破裂音に思わず見上げれば、窓ガラスに大きな亀裂が入っている。 しかし、ガラスは飛び散るでもなく周囲は静まり返ったままだ。 何かおかしい、病院でこんな騒ぎが起きたら、夜勤の看護師さんが飛んできそうなものなのに…… パァン! パァン! 大きな音が断続的に続いている。 何かがぶつかり合うような音…… あたしは暗闇の中で優也を抱いたまま目を凝らした。 何かいる!! 高速で動き回るそれらは目には映らないが、長年喧嘩で鍛えた勘で気配は感じとることができる。 「ヒッ!」 急に耳の横で大きな風切り音を感じとり、ビックリしたあたしは座っていたベッドから落ちた。 落ちた先には簡易ベッドが置いてあった。 とっさに優也を守って体をよじったあたしは簡易ベッドのヘリに側頭部をしこたま打ち付けた。  
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