海斗

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海斗

 目の前がチカチカと光った。 痛みは……ない。 やたらと体が軽くて変な感じ。 あたしは腕の中に優也が居ないことに気づいてギョッとする。 「優也!」 声をあげると、空気が止まった。 「なにこれ……」 ベッドの下にはあたしがうずくまっている。その腕の中に優也がいた。 だが、あたしの目の前にも優也がいる! 「優也が……2人?」 状況が飲み込めないまま見上げれば、あたしたちを見て固まっている黒い影が2つ、天井付近にフワフワと浮かんでいる。 1つはさっきのシルエット。黒いダボダボのマントに大きな鎌を持っている。 そしてその前に立ち塞がっているのは…… 「海斗!!」 思わずあたしは叫んだ! 半年前に死んだはずの海斗が何でここに?
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