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白い紐
「来るな!」
駆け寄ろうとするあたしを海斗は強く制した。
「その紐が切れたら体に戻れなくなるぞ!」
あたしは自分の体を見回した。
足の先から白いロープみたいなものが延びている。
先を辿ると、床に転がっているあたしに繋がっていた。
よくみれば優也の体からも同様に白い紐が延びている。
「お前は今、魂が抜けてんだ! 早く体に戻れ!」
海斗が叫ぶ。
「折角2人分の魂が脱魂してるんだ。
2つとも頂いていくぜ!」
黒マントの男が鎌を振りかぶった。
「やめろ!」
海斗が黒マントに飛び付いて阻止する。
「邪魔をするなと言ってるだろうが!」
黒マントが銀色の霧のようなものを吐き出した。
「うあぁっ」
海斗が顔を押さえて悶えている。
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