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もう少しで退勤時間って時に団体客が来店し少しだけ残業になってしまった
店の外で司さんを待たせてしまってるけどこればっかは仕方ない……
『すいません遅くなって』
「ううん、大人数入ってくの見たし多分遅いだろーなって思ってたから大丈夫」
『……俺に何か用があるんですよね?向こうに座れる場所あるんでそこに移動していいですか?』
「うん、分かった」
店から少し離れた場所にある低めのコンクリートの塀の所まで行きそこに腰掛けた
別に何処か店に入ってもいいんだけど彼は颯太の彼氏だし一緒に飯を食い合う仲でもねーし……
人通りもそんなに無いから話だけならここでも大丈夫だろう
「えーっと……早速本題なんだけどさ、明け方コンビニで会ったよね?」
『……はい』
「あれはそのなんつーか……ただのツレだから!あいつ超酔っ払っててさ〜、やたら俺に絡んで来ててマジ迷惑してたんだよな!見て分かっただろ〜?」
『…………』
何も言わない俺の反応を見て司さんは大きな溜息を吐いた
「はぁ……やっぱ無理があるよな」
『そうですね……』
「颯太には内緒な?」
ヘラっとした顔でそう言われた瞬間かなりムカついた
『や、笑えないですよ。何考えてんですか?』
「ちょっ!そんな怒んないでよ!あんなのただの遊びだから!っつーかあいつとは本当に何もないから!まだヤッてねーし!」
『まだ?』
墓穴を掘った司さん……
「あー……と、とにかく!颯太に内緒にしといてくれよな。頼むよ」
『颯太は俺の親友ですよ……』
「頼む憂君この通り!」
『……もう二度颯太を裏切らないって約束して下さい』
俺がそう言うと司さんは……
「え?っつーか裏切ってねーし」
と言った
え、何言ってんだこの人
『じゃあ颯太に内緒にする必要なんか無いじゃないですか』
「や、そーなんだけど……変に勘違いされたらダルいじゃん?」
『司さんは颯太の事好きなんですよね?』
「そりゃー……一応付き合ってるし」
一応って何だよ……
『颯太を悲しませる様な事はしないで下さい。お願いします』
「いやいや何で俺が悪者みたいになってる訳?」
『いやっ!だって……颯太と付き合ってるのにあんな時間にあんな事してちゃダメですって』
俺がそう言うと司さんはまた溜息を吐いた
「はぁ……憂君って結構面倒臭いね」
『……っ』
そう言われた瞬間何かが俺にグサッと突き刺さった
面倒臭い……
「こっちはただツレと遊んでただけなのに……友達思いなのは良く分かったからさ、取り敢えず頼むな?」
『…………』
「な?」
『……もし颯太に言うって言ったら……どーしますか?』
「はぁ?」
司さんの態度が急に変わった
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