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さてさて今日は週末、しかも店長がいないパラダイス日
従業員体制もいつもより多いから忙しくなっても心の余裕があるなんて素晴らしい日なんだ
そんでもって仲がいい颯太も早番で一緒に出勤
『ちょっと機械の調子見てくるー』
「おう」
そう言って1人カラオケを堪能しに行く
これはこの店従業員の特権だ
店長がいない時に限るけどね
それから全室埋まり、新しく来店して来るお客さんの予約を取る事以外やる事がなくなって俺達の気楽な時間がやって来た
『なぁ颯太』
「ん?」
『この間昼間に来てた11号室のヤンキー達いたろ?退室時間と俺の退勤時間が被ってた……』
「あーそんな事もあったな。それがどうかしたか?」
『あの後店出たらそいつらがいて……』
俺はあの日にあった出来事を颯太に説明した
「……え、んでその2人と一緒に飯食いに行ったの!?」
『うん』
「マジかよお前やるなぁ〜っつーか羨ましい。あの中にすげぇ格好いい人いたよな。格好いいっつーか美人と言うか」
『格好いい人……みっ君さんかも。確かに顔は本当格好良かった。でもめっちゃチャラかった。その勝哉さんって人がいなかったら俺どっか連れて行かれてたかも』
「そのままお持ち帰りして貰えば良かったのに」
『何バカな事言ってんだよ!!』
「冗談だっての」
とんでもない事を言う奴だな!
「っつーかその勝哉?って人すげぇ優しいな」
『うーん……でも見た目本当イカつくて恐いんだ』
「奢って貰った上に助けてくれたんだろ?超優しいじゃん」
『まぁ……』
「そうか、遂に憂にも春が来たか」
『は?』
「お前もいい加減に恋愛のひとつぐらいしろよ。このままじゃマジで魔法使いになっちまうぞ」
『何その魔法使いって』
「男は30過ぎても童貞だったら魔法使いになるとか聞いた事ねぇ?」
『知らねーよ。じゃあお前はどうなんだ?童貞じゃないのか?』
「俺は童貞だ!」
そんな事自信満々に言われても……
『じゃあ颯太も俺と一緒じゃんか』
「あ、でも俺処女じゃねーから」
『お前さっきから言ってる事めちゃくちゃだぞ。一体何が言いてぇーんだよ』
「まぁきっとお前も俺と同じでネコかもな〜」
『猫?』
俺達がそんなくだらない会話をしていると、新規のお客さんがやって来た
「あ、良かったいたいた!」
なんとやって来たのはみっ君さん
あれ?だけど1人?
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