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その日から毎日のようにみっ君さんから連絡が入るようになった
暇人なのかあの人は……
「あの後どうだった?」
そして颯太と会った時そう聞かれた
『どうも何も……普通に喋って連絡先だけ交換してバイバイした』
「ああ?なんだよつまんねぇ」
『そう言うお前は?あれからあの人と何処行ったんだ?』
「ん?まぁこっちも適当にブラブラしてたかなー……しいて言うならキスだけしたかな」
『え!?』
マジか
『えっ初対面だろ?』
「まぁな。っつーかキスぐらいでそんな騒ぐなよ」
『いやいやお前まで軽いなんて……俺は実にショックだよ』
「そーか?まぁ実は今日も会う約束してんだけどな」
『え!?』
「こうやってデートを重ねて行けば……ってやつだよ。俺あの人の事ちょっといいかもって思ったし」
『けどまだ知り合ったばっかだろ?』
「だから何回も会って色々話して相手の事を知って行くんだろ?それでやっぱ何か違うって思ったらそれまでだし」
『そうだけど……そんなんでいいの?』
「俺はなー。まぁ恋愛経験0のお前には理解出来ねーかもだけど」
『ば、馬鹿にすんなッ』
俺だって恋愛ぐらい!
恋愛……
『…………』
「な?」
『うん』
やべぇ恋愛経験よりもまず自分がどんなタイプの人が好きでどんな……とかも分からない事に気付いてしまった
これはヤバ過ぎる
この日から俺はまず初めに自分がどんなタイプを好むのかを考えるようになったんだ
『少女漫画……』
とある日、本屋に立ち寄って色々見て回った
恋愛って言ったらやっぱ代表的なのは少女漫画だよな
だけどこのキラキラしたコーナーを見る度胸は俺にはない
はぁ、漫画はダメだ
取り敢えず店の中の空いていた休憩椅子に座り周りの人間を観察。家族連れ、子供、年寄りは除外して……
同じ年齢ぐらいの子が2人前を通って行ったけど特に何も思わない
強いて言うならすげぇ髪型だなとか香水臭ぇなとか……
いかんいかん、これまるで俺不審者じゃん
ってかよくよく考えたら俺のバイト先って若者が集まるじゃーん!遅番限定だけど
って事で、今度遅番の誰かに交代してもらおう
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