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『…………んっ!』 抱き寄せられ、みっ君さんの舌が口の中に入って来た瞬間俺は彼を突き飛ばした 『はぁ……はぁ…………ううっ』 突然の出来事にびっくりして目から涙がボロボロと溢れ出て来てしまった 「……えっ?あ、ごめん!嫌だった!?泣くなって!」 俺を見て慌てふためくみっ君さん 『……ごめんなさい、帰りますッ』 そう言い、俺は急いで彼の部屋を飛び出した 『う……』 帰り道、唇にはまださっきの感触が残っていて俺はそれを手で拭った お、俺のファーストキスが…… まさかあんないきなりされるなんて思わなかった 確かに初めからチャラい印象はあったけど…… 分かってて相手の家に行ってしまった俺も悪いけどまさか本当に男の俺に手を出すなんて 『はぁ、情けな……』 しかもびっくりして泣くとかマジでダサ過ぎる たかがキスだろ気にすんな 初めてだったけど…… どうしよう、思わず飛び出して来ちゃったけど謝った方がいいのかな や、何で俺が謝らなきゃならんのだ 頭の中はまだごちゃごちゃしてて、妙な不安感に襲われていたんだ 「……で、みっ君さんにキスされたと?」 『うん』 「良かったな!」 仕事中颯太に話すと何故か喜ばれた だけどその後が…… 「でも突き飛ばして逃げたって?」 『や、突き飛ばすだろ普通』 「まぁ初めてだしいきなりはビビるよなぁ。で、お前の今の心境は?」 『心境?』 「嫌だった?嫌じゃなかった?ドキドキしてるとか色々あんだろ!」 『同意も無しにいきなりされてそんなもん分かる訳ねーじゃねぇか!!や、だけど……正直ちょっとショックかも』 「まぁ話聞いてる限りお前はツレ感覚で接してたっぽいしな。みっ君さんは大分お前にアピってんけど」 『俺マジで友達いねーから一緒にゲームしたりして本当楽しかったって言うか……あー訳分かんねぇーよもう!』 「しかし残念だなみっ君さん……その後連絡は?」 『何回か来てるけど返事してない。ってか内容すら見てない』 「内容ぐらい見ろよ」 『や、本当に気まずいんだって……』 「たかがキスだろー?大袈裟だよな全く」 『お前と俺を一緒にすんなッ』 キーっと苛々しながら空いた部屋の片付けに向かった .
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