25/51

101人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
おぼつかない足取りで店を出ると颯太が俺の肩をバシッと叩いた 「取り敢えず携帯チェックだけしっかりしろよ」 『見る余裕あったらな』 「本当に大丈夫か?」 『大丈夫、それより頑張れよ』 色んな意味を込めて…… そこから俺達は再び別行動、俺は今回相手が違うけど 「フラッフラだな。手ぇ貸してやろーか?」 『大丈夫ですよ!ほら、真っ直ぐ歩けてるでしょ?』 「んじゃあその白い線歩いてみろ」 『余裕です!……ん?あれ?おっかしぃな……』 言われた通り道路の白線にそって歩いてみたが全然真っ直ぐ歩けてない 「ほれ見ろこの酔っ払い!」 『確かに酔ってますが意識はちゃんとしてますから!』 それよりもこの人もそれなりに飲んでたはずなのに全然シラフ……すげぇな、流石ヤンキーだな 「ん?何か携帯鳴ってねーか?」 『え?あ、俺です』 ポケットの中で震えている携帯 マナーモードにしていたから直ぐに気付かなかった 着信相手はみっ君さん うわっこのタイミングか まぁいいや、帰ってから掛け直せばいい 「電話か?」 『はい、みっ君さんから……』 「出ねぇーのか?」 『今出ると話長引きそうですし帰ってから掛け直します』 「ふーん」 するといきなり勝哉さんに携帯を取り上げられた 『あ!』 「おー長谷川!何か用か?」 長谷川?……そうだみっ君さんの事だ! なんと勝哉さんが勝手に電話に出てしまったんだ 「ああ?何で俺が出るんだって?……さぁな!てめぇーで考えやがれ!」 『ちょっ勝哉さん!』 何故そんな喧嘩口調なんだこの人は! 『返して下さいってば!うっ!』 頭を片手で押さえ付けられた拍子に体が思い切りフラついてしまった 「おおっ!危ねぇ!」 『ぐぇっ!!』 そのまま襟元を掴まれ首がキュッと締まった 「おおっ!悪りぃ悪りぃ! ……あ?さっきまでチビ助と飲んでたんだよ!あ?他?司とチビ助のツレと4人で……チビ助?今ここに……ああ?」 き、気持ち悪…… 首が締まった瞬間急激な吐き気に襲われた 「……ちょっと待て!チビ助がやべぇ!んじゃーな!」 そう言って電話を切った勝哉さんはそのまま俺を担ぎ上げた ぐっ! 腹が圧迫されて余計に吐き気が……ッッ 何故俺を担ぎ上げた!? .
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101人が本棚に入れています
本棚に追加