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『……っ』
「まだ痛い?」
初めて泊まったあの日から数回目の挑戦
俺の体はまだ痛がっていたんだ
「俺も初めての子とは経験ねーからなぁ。俺が下手くそなんかな?」
『いやっ多分俺がかなり痛がりなんだと思います。我慢が足りないんだと』
「んー……」
流石に数回目の挑戦なのに全く進んで無かったら誰だって凹む
「だけど初めよりかは大分ほぐれてるからそろそろ大丈夫だと思うけど」
『じ、次回頑張ります』
「ん、分かった」
『なぁ颯太、お前は初めてした時やっぱ痛かった?』
「お前……仕事中に何て事聞いてんだよ」
店がまた暇だったしシフトが被っていたから気になっていた事を颯太に聞いてみた
この間も一緒だったけど忙しくて聞けなかったし電話ではちょっと……って感じの内容だし
「え、もしかして遂に開通?」
『は?』
「そうか、憂も遂に経験したんだな。おめでとう!これでお前も晴れてこっちの人間だ!」
『や、まだしてねーし』
「ああ?」
何か知らないがめっちゃガッカリされた
『颯太もされる方だよな?』
「ノーコメントだ!!」
『いいじゃん教えてくれたって!!』
「……って事はお前は受けなんだな?まぁみっ君さんは見るからに攻めだもんな。え、まだヤッてなかったの?」
『う、うん。痛過ぎて出来ないんだ』
俺がそう言うと、颯太は憐れみの目を何処かに向けていた
「お前みっ君さんと付き合ってどれぐらいだっけ?」
『えーっと……あ、そう言えばもう1ヶ月経つかも』
颯太に言われて気付いた
お試し期間終了じゃん
みっ君さんも何も言わないし本当うっかりしていた
「あのチャラそうなみっ君さんが1ヶ月も……さぞかし欲求不満だろうに」
『や、途中まではしてるんだけど本当激痛で』
「んーやっぱ我慢しかねーんじゃね?」
『だよなぁ』
結局は我慢
やはり俺は我慢が足りないんだ
「っつーかお前のそんな生々しい話聞きたくねえ!」
『いーじゃんかよ!』
「なるよーにしかならねぇよ!男は忍耐だ!我慢だ!」
『ええーっ』
「仕事だ仕事!もう2号室の客出てくるからお前レジしろよな!俺はさっき出てった部屋の掃除だ!」
そう言い、颯太は布巾とおぼんを持ってそそくさと離れて行ってしまった
ちっ
誰にも相談出来ない内容だから颯太に聞いて欲しかったのに……
そうか、みっ君さんとのお試し期間は終了するのか
って事はこのまま正式にみっ君さんと……
今日はみっ君さん仕事だから明日また電話して聞いてみよう
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