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『ごめんなさい、みっ君さんとは付き合えないです』
それから後日、俺はそう彼に言った
みっ君さんの事を嫌いになった訳じゃない
今だって本当は好きだ
だけど、他の奴に触れた手で触られたくないんだ
「そっか。うん、憂君からなかなか連絡来なかったからそんな予感はしてたよ」
『ごめんなさい』
「やっぱ俺下手くそだったよな」
『そう言う訳じゃ……』
「え?そうなの?じゃあ何で?」
『…………』
言おうか言わないか本当に悩んだ
けど、こういうのはちゃんと言わなくちゃダメだと思ったんだ
『俺、知ってます。セフレの事……俺と付き合ってた時も会ったりしてましたよね?』
「…………」
『確かに正式には付き合ってませんでしたがそれでも俺、本当にショックで。俺が出来ないから……』
「あー……知ってたんだ。もしかして勝哉から聞いた?」
『違います。店で偶然出会した時ありましたよね?その時にセフレの話が聞こえて……盗み聞きした訳じゃないんですが本当たまたま』
「……うん。ごめん、確かに何回かセフレと寝たよ」
やっぱり……
「だけど所詮セフレはセフレだから。気持ちなんて一切ねーよ。憂君と正式に付き合ったらちゃんと切るつもりだったし」
彼の軽い発言に呆れてしまった
俺の事本気で好きじゃなかったって言ってるようなもんじゃないか
本当に俺の事を思っていてくれたんだったら他の奴と寝るなんて出来ないはずだろ
やっぱりみっ君さんはチャラい……
上部だけの好意に俺もその気になるなんて……
『今まで楽しかったです。本当にありがとうごさいました』
出そうになる涙を必死に堪え俺は頭を下げ彼に背を向けた
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