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悪酔い……
飲み始めてから後半戦、俺は完全に悪酔いしていた
気を引き締めとかないと意識がぶっ飛びそうだ
「憂お前大丈夫か?」
颯太が心配そうに俺の顔を覗き込んで来た
『大丈夫大丈夫!あーでも俺そろそろ帰ろっかな!結構飲んだし!』
財布を出し一万円札を出してテーブルの上に置いた
『んじゃあお先っす!』
「タクシー呼ぶからちょっと待てよ!」
『大丈夫大丈夫!ってかそんなの乗ったら吐くから!じゃあお疲れ様でした!』
3人にそう告げ俺はフラフラと1人で店を出た
まるでヤケ酒……
失恋して直ぐにこんな飲むなんて本当にヤケ酒だよな
や、別にヤケになんてなってねーけど……ちょっとだけ
『……ッッ!』
ふわふわした頭で夜道を歩いていると何も無いのにまるで何かに躓いてしまったように思いっきり転けてしまった
『痛って……』
「鈍臭っ」
!
急いで体を起こし振り向いてみると後ろには勝哉さんがいた
『……あれ?何でついて来てるんすか?』
「ああ?誰がてめぇーについて行くかよ。方向が一緒なだけだろが」
『颯太達は?』
「目の前でいちゃつかれんのも癪に触るんだよ!」
成る程……
「っつー訳でお前の一万でコンビニ行こーぜ!」
『ええっ!?』
一万円札をヒラヒラさせながらグイッと肩に腕を回された
『ちょっ勝哉さん!?ってか俺の一万でって……』
「置いてくには多過ぎるだろ!てめぇーの分はついでに払って来てやったから今度はてめぇーがコンビニ奢れよな!」
え、えええ……
それから近所のコンビニで無駄に色々買い漁り2人とも両手にパンパンになった袋を持ち勝哉さんちへ
酒やらお菓子やらその他もろもろ……
本当に一万円分買うとは思わなかった
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