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「あ、悪りぃちょっと先輩から電話だわ」 隣に来た男がポケットから携帯を取り出し耳に当てた 良かった……時間稼ぎが出来た こいつが話し終わる前に何か考えないと……! 「……え?今近くにいるんすか!?や、俺今ちょっと…………はい。分かりました」 さっきの威勢は何処に行ってしまったのか、焦っている様子 「やべぇすっかり忘れてた」 「何?」 「今日ツケの回収やんなきゃいけねーのに忘れちまってて……くそっあのリーマン飛んでなきゃいーけど」 「あれ?お前今日休みじゃなかったっけ?」 「これから先輩と一緒に回収だわ。はぁ〜マジかぁ……」 『……っ!』 肩に腕を回され距離が一気に縮まった 「っつー訳であんま時間ねーんだ。とっととヤッちまうかー!」 『っ!やめろ!!』 「マジかよお前!俺冗談かと思ったのに!ちょっ俺外出てるわ」 先程助手席に移った男が慌てて車から降りて行くのが視界に入った 『…………っ』 「暴れんなって!直ぐ済むから!」 『やめろ!!くっ……っ!』 「押さえててやろーか?ちょっと座席倒すなー」 『嫌だ!!痛っ!!』 こいつ何て力なんだ……っ! 「やべぇマジで俺初体験」 「記念にムービー撮る?」 「野郎とのムービーはいらねぇだろ」 「まぁな」 『はぁっはぁっ……くっ……っ』 両腕を押さえつけられ身動きが取れない こんな事なら普段からもっと鍛えておけば良かった 「おい見ろよ、泣いちゃって……超可愛いな」 「さっさとヤッちまえよ」 「はいはい」 『やっ……!!』 ズボンをずり下ろされた瞬間もうどうにも出来なかった 「おい!お前先輩来てんぞ!」 その時、車のドアをバンバン叩く音が聞こえ外にいる奴がそう叫んでいた 「ああ?やべっ」 『……!』 俺の方のドアがガチャっと開き車の中を覗き込んで来た人物を見て俺は驚愕した 『みっ君さん……』 「…………は?」 俺達は視線を合わせたまま固まった 「すいません!直ぐ終わらせますんで!!」 『痛っ!!』 「ぐっ……!」 みっ君さんが俺の上に乗っている男の首を掴んだ 「お前誰に何してんの?」 「えっ!?」 「退け!!」 みっ君さんは俺の上から男を強引に押し退けた 「もしかして知り合いっすか……?」 「回収はまた今度でいいわ……お前ら、後で殺してやるからな」 「え?」 そう吐き捨てた後、着ていた上着を脱いで俺に掛けてくれ、そのまま俺はみっ君さんに抱き上げられたんだ .
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