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やはり遅番はろくな事がない……
時給がいい理由がよく分かる
本当昼間とは大違いだ
「相変わらず可愛いねぇ〜」
『ありがとうございます』
それからいつも通りの早番出勤の日
昼間に来る常連のおばちゃんに可愛がられる俺
多分自分の息子感覚なんだと思う
だけどね、ホットコーヒーって沸かすの本当面倒臭いんだ
年配の人達はそればかり頼むからさ
店長のこだわりでインスタントではなくて本格的にコーヒー豆を使って沸かすもんだから時間が掛かって仕方ない
まぁだけど持って行くの遅くなっても皆んな文句言わないからそこは有り難い
そして夕方になりもう少しで退勤
フロントでのんびりしていると3名程階段を上がって来た
!
その中の1人はあの時のヤンキーだ!
「おおーチビ助!」
チビ助?
『い、いらっしゃいませ』
いかん営業スマイルだ
「チビ助?何?勝哉の知り合い?」
ヤンキーの隣にいる人が彼に話しかけた
勝哉……
このヤンキーは勝哉って名前なのか
「おー、この間酔っ払いを運び出す時に手ぇ貸してくれた奴なんだよ。何だお前こんな時間も働いてんのか?」
『え?あ、はいまぁ……俺、いつもは早番なんで。この間はたまたま遅番だったんです』
「ふーん……まぁいいや。この間の部屋空いてるか?」
『この間……11号室ですか?』
「そーそー!空いてんならそこにしてくれよ」
『でもあの部屋3人じゃ大分広いかと』
「後から他にもツレが来んだよ!さっさとしろよ!」
『ご、ごめんなさい』
怒鳴られ慌ててリモコンの準備をした
やっぱりこの人恐い
ヤンキーじゃなくてチンピラじゃんか
『ではどうぞ。11号室です』
そう言い、リモコンが入ったカゴを渡すと何故か頭をわしゃわしゃと撫でられた
「ん、サンキュー」
『…………』
な、何故頭撫でた
っつーか今ので髪がめっちゃボサボサになってしまったじゃないかこんちくしょーめ
一応セットしてるつもりだったのに
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