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車から降りると続いてみっ君さんも車から降りた 「あー?んでテメェら一緒にいやがんだ?」 『あの……』 鋭い目つきをしている勝哉さんが恐くていつも以上に声が小さくなってしまった 「別に。憂君見つけたから送り届けただけだけど?っつーかお前こそ憂君ちの前で何やってんだ?」 「そこのガキに用があるから来たんだよ」 「あっそ。……んじゃあ俺帰るわ。何かあったら直ぐ連絡して」 『は、はい……本当に、有難う御座いました。これ……』 「ああ、うん」 みっ君さんに上着を返し深く頭を下げた その時、彼に頭を優しく撫でられたんだ 「真っ新じゃ無くなったからって調子乗んじゃねーよ」 『は?』 部屋の中に入った瞬間勝哉さんにそう言われた 「あいつとヤッて来たんだろ?乱れてんぞ、服が」 そう言われ初めて自分の格好を上から見た 『…………』 「そんなにあいつが良かったのかよ散々愚痴りまくってたくせによ」 『違います!!これは……っ』 さっきの出来事を思い出した瞬間カーッと両目が熱くなった 『うっ……っ……グスッ』 「おいおいおい一体何だよ」 流れ出て来た涙を袖で拭いその場にしゃがみ込んでしまったんだ 「お前あいつと何があったんだ?」 『…………っ』 「さっさと言いやがれ!!」 『ひっ!』 両肩をガシッと掴まれ無理矢理視線を合わされた 「言わねーと問答無用であいつシバきに行くからな」 『違っ……みっ君さんは俺を助けてくれて……ッ』 「助けるだ?ああ?」 『…………ッッ』 それから、途切れ途切れに起こった出来事を話すと、勝哉さんの表情はどんどん変わっていったんだ .
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