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勝哉さんの顔を見るのが恐い…… 俯き、俺はずっと下を向いていた 「てめぇ……」 『はい……』 「やっぱ俺と付き合え」 『えっ』 「俺のモンだって分かったらもう二度とそんな目には遭わねぇーよ。こう見えて結構顔広いんだよ」 そう真っ直ぐに言われ一瞬鼓動がおかしくなった え、今の何…… それから勝哉さんと目が合うたびに心臓の高鳴りを感じる自分に戸惑った 「長谷川の野郎はダメだ。あいつは遊び過ぎなんだよ」 『や、でも……』 「お前俺が嫌いか?」 『嫌いじゃないです』 「よし、じゃあ決まりだな」 『うっ』 そう言って勝哉さんは俺の頭を力強く掻き乱した 「よーし、んじゃあ今から長谷川んとこ行ってくるわ」 『え!?ちょっ何しに行くんですか!?』 「てめぇーを車に連れ込んで悪さしようとした奴等をぶっ飛ばしに行くんだよ」 『やめて下さいもういいですって!!』 「ああ!?」 勝哉さんの腕を強く引き彼を引き留めた 『みっ君さんがもう制裁してくれましたからッ』 「……何だてめぇ」 『……』 その時、自分の手が小刻みに震えている事に気がついた 直ぐに勝哉さんから手を離しぐっと拳に力を入れた 『だけど俺、勝哉さんとは付き合えませんよ。その、体の関係は持っちゃったかも知れませんが……』 「何がダメなんだ?言ってみろよ」 『や、ダメとかそんなんじゃなくて……まだ好きだとかも分からないし』 「面倒臭ぇな!!長谷川の野郎とはお試しで付き合ったくせに何言ってんだお前」 『ご、ごめんなさい。だから余計にですよ!』 「あれか?あいつみたいに俺にもセフレがいるとでも思ってんのか?あ?」 『ちょっ!詰め寄らないでッ』 顎をガシッと片手で掴まれ無理矢理視線を合わせられた 「俺はこう見えて適当な奴とはヤラねー主義なんだよ。お前だから抱いてやったんだよ」 『…………っ』 「よーし分かった!てめぇーがそう言うんだったら待ってやるよ。3日で俺に惚れろ」 『なっ!無理ですよそんなの!短過ぎます!』 「じゃあ1週間だな。大丈夫大丈夫、その間にまた何回か可愛がってやるよ。その方がお前も意識すんだろ?」 『雑過ぎですよ!俺の気持ちを何だと思ってるんですか』 「てめぇーの気持ちなんか知るかよ。てめぇーはただ黙って俺に惚れてりゃいいんだよ」 『……っ』 強引にキスされ体が強張った 「震え、止まったな」 『え?』 そう言われ自分の両手を見ると、勝哉さんの言う通り手の震えが知らない間に止まっていたんだ .
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