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勝哉さんの事が好き そうはっきりと言葉にして言った瞬間何だか胸がドキドキした 恐い人だけど…… 凄く雑で乱暴な人だけどいつも俺の事を気に掛けてくれる あれからみっ君さんは何も言わずただ俺の頭を撫でた 俺は何となく気まずくなり適当に理由をつけて彼の車から降りたんだ とぼとぼと歩いて帰り、自分のアパートに到着……と、思ったら部屋の前に勝哉さんが座り込んでいた あれ?今日仕事のはずじゃ…… 「おめぇー何処ほっつき歩いてたんだ?バイト帰りか?」 『いえっ今日は休みでしたけど……あの、何か用ですか?』 「今日は早く仕事が終わったからよ〜、お前暇してんなら相手してやろーと思ったんだよ」 だからと言ってわざわざ俺が帰って来るのを部屋の前でずっと待っていたのか? 連絡してくれたらいいものを…… 『あはは……取り敢えず鍵開けますね』 「おー」 そう言って玄関の前にいる勝哉さんに近付いた時、急に勝哉さんが顔を近付けて来たんだ 「…………」 『あの……何でしょうか?』 「お前今日誰といた?」 そう言われドキッとした 『え、何でですか?』 「なんかどっかで嗅いだ事ある香水の匂いがすんだよな〜……………………あいつだ」 『え?』 「お前長谷川のヤローと居ただろ?」 『…………』 何故か一瞬ヒヤッとした や、別に何もやましい事なんかないのに何故だ 『あー……はい、話があるって言われて車の中でちょっと話してました』 「ふーん」 すると突然勝哉さんは俺に背を向けた 「シラけた。帰るわ」 『え?』 スタスタと歩き去って行く勝哉さん 『え、ちょっ……』 訳も分からず俺はただ勝哉さんの後ろ姿を見ているだけだった な、何か怒ってる……? けど特に怒らすような事は何もしてないはず…… まぁ元々気まぐれな人だし、気が変わっただけなのかも 余り深く考えず俺は自分の部屋に入った だけど、それから勝哉さんが俺の前に姿を現す事は無かったんだ .
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