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気を取り直し俺はゆっくりと立ち上がった 何となく気不味いし取り敢えずもう帰ろう…… 勝哉さんだって何か素っ気無いし 『帰ります。お邪魔しました』 「結局お前何しに来たよ?」 『や、だから心配になって……』 「何だよお前、寂しかったんなら寂しかったって正直に言えよ」 『別に寂しくなんか……』 「あっそ。んじゃさっさと帰れ」 『…………』 ジリジリと勝哉さんに近付き隣にちょこんと座った 『……ちょっとだけ寂しかったです』 「あ?何て?声ちっさ過ぎて聞こえねー!」 『だからっ……もういいですよ!取り敢えず普段通りの勝哉さんでしたから!』 「普段通りの俺って何だよ」 『そのままの意味です!』 「まぁどーでもいいや」 そう言って再び寝転びテレビのリモコンを弄る 『…………』 勝哉さんは余り口数が多い人じゃないけどさ…… あまりにも続かない会話に再びかなり違和感を感じた 『あの……何か怒ってますか?』 「はー?」 『俺、何かしましたかね?』 「何かしたのか?」 『別に何もしてませんけど』 「あっそ」 『…………』 また止まってしまう会話 明らかに前と違う よく考えろ…… あっ 『もしかして、みっ君さんと会ったから……』 「あー?」 『機嫌が悪いのって、もしかして俺がみっ君さんと会ってたからですか?』 俺がそう聞くと、勝哉さんの顔が急に怖くなった 「俺が何でテメェーがあの野郎と会ってたってだけで不機嫌にならねーといけねーんだ!」 『ひぃっ!ご、ごめんなさい!いや!だけど本当にそれしか思い当たらなくてッ』 「ちっ!」 『ん!』 いきなり顔を掴まれキスされた 『……えっ!?』 「どーせあの野郎にまた口説かれたんだろーがお前は!」 『口説……そ、そんな訳な……』 いや、あれは口説かれた内に入るのか? 『でも俺ちゃんと断りましたから!』 「ほー?何て?」 『ぅぅ……』 その瞬間顔がボッと熱くなった 勝哉さんの事が好き だなんて、恥ずかしくて言えない .
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