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仲間内だから気にするなとそのまま部屋を追い出された 俺が気にしてるのはマイクだ あれ、一本3万するんだぞ。故障したらどうするんだ やはり俺はあの手のチンピラ達がどうも苦手だ 男の俺を可愛い可愛いって馬鹿にしやがってこんちくしょーめ その事を遅番で出勤して来た颯太に愚痴るとめっちゃ笑われた 「女の子扱い……ぷくくッ」 『俺そんなに華奢に見えるか?』 「んーまぁチビだし童顔だし細せぇーし見た目からして超弱そうだもんなお前」 『言い過ぎだろ!!ひでぇ』 「俺は事実を言ったまでだ。んで?その11号室の奴らは……あ、もう少ししたら退室時間じゃん」 『ええっ!俺の退勤時間と被るじゃん』 「まぁ向こうの方が若干早ぇーし鉢合わせにはなんねーだろ。レジは俺がしてやるよ」 『うん』 それから彼等の退室時間になり奴らがゾロゾロと出て来た だけど俺はフロントの後ろにある事務所内で帰宅準備 はぁ、やれやれ全く…… 『……帰った?』 「おう。っつーかお前本当昔からヤンキー苦手だよな」 『だって恐いじゃんか』 「そーか?皆んな見た目が派手なだけで結構優しい人多いけどなぁ。意外と常識もあるし」 『ツレの頭をマイクで思っくそ殴る奴に常識も糞もねーよ』 「うん、それはやっちゃダメだな」 『うんうん』 帰る前に11号室の片付けだけ手伝う事に あれだけ騒いでたからきっとめちゃくちゃに決まって…… あれ?意外と綺麗だ だけど灰皿の中の煙草の量が尋常じゃなかった す、吸い過ぎだろこれ…… 『じゃあ俺帰るな』 「おー!お疲れ〜」 階段を下り店の外へ…… だがしかし、さっきまで11号室の奴等が店の前で屯っていた 「……あっ!憂君みっけ!」 『あはは、どーも……』 苦笑いしながら会釈しそそくさと歩いた まさかまだ店の前にいるなんて思わなかった 「帰るの?送ってってあげよっか?」 『いえいえ!や、お酒飲んでるじゃないですか』 「そーなんだよ。こんな日に限ってツレの車だし俺飲んでるし……はぁ、残念。って事でこれから俺とデートしよっか」 『ええっ!』 「んじゃあなー」 他の人達にそう言った後みっ君さんは俺の肩に腕を回した 『ちょっ……っ!』 「これから飯だろ?何か食いに行こー」 『えっと、俺達初対面……』 「何言ってんだよ俺は前から憂君の事知ってっから!喋ったのは今日が初めてだけど。え、何?今から何か予定あんの?」 『いえ、特には……』 つい正直に言ってしまった しまった……適当な事言って逃げれば良かった 「んじゃあ俺も便乗するわーっ!じゃーなお前ら!」 『ええっ!?』 そして何故か勝哉と呼ばれていたあのヤンキーまで…… 訳も分からないまま俺はそのまま2人に強制連行されてしまったんだ .
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