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「おいおいおい、ゆでダコみてぇーに真っ赤だぞお前!熱はねーしなぁ」 『や!ちょっと暑くて……』 「んじゃあ服脱いでろよ!ほれほれ」 『えっ!?んぎゃッッ!!』 着ていたTシャツを急に脱がされ俺の顔は更に熱くなった 『ちょっ!やめて下さいよ!!服返して下さい!』 「何恥ずかしがってんだ?男同士だろが裸が何だ!」 『だからですよ!』 「はー?」 『勝哉さんだから……』 視線を逸らしそう言うと勝哉さんの動きがピタッと止まった 「ほーん……俺だからねぇ……」 『も、もう!また馬鹿にするつもりなんでしょ!?』 「いいや〜……そーかそーか」 何満足そうな顔してんだよ! 『とにかくっ服は返して貰いますからね!』 勝哉さんから服を奪い取ろうと手を伸ばしたが…… 『んんっ!』 その手を掴まれまた…… 『……っ』 目をギュッと瞑り、必死に耐えた ダメだ このままだと本当にみっ君さんの時と全く同じになる…… 『……っあのッッ!』 「何ださっきから!」 勝哉さんの胸を押し顔を見つめた 『俺達の関係って一体何なんですか!?』 「はー?」 聞いた! 聞いてやったぞ! 『だから……付き合ってもないのにこんな事して……』 「お前……」 『……っ』 身を引き、怒鳴り声に備えた けどそんな事はなくて…… 「ふ〜ん……んじゃあテメーは誰彼構わずこんな事する野郎なんだな」 『違っ!』 「じゃあ何だ?」 『…………俺達、付き合ってるんですか?』 思い切って聞いた 「お前はどーしたいんだ?」 『俺は……』 その時、勝哉さんの携帯が鳴った 「ちっ……」 『あのっ……出なくていいんですか?』 「放っとけ!クソだりーな」 『や、けどずっと鳴ってるしもし大事な連絡だったら……』 「…………」 勝哉さんは大きな溜息を吐いた後、俺から離れ携帯に手を伸ばした な、なんつータイミングの悪さ…… はぁ…… 「…………ああ!?足場が崩れたて落ちただと!?」 『え?』 携帯を耳に当て勝哉さんは大声を上げた 勝哉さんの仕事場で夜勤作業をしていた人が、建築中の建物の足場が崩れて落下してしまい負傷したとの連絡だった .
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