紅の鎖

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 『私は誰でしょう』  足音が止まった周辺の頭上から ヘリウムガスを吸引した様な人為的な高音の声が降ってきた。その声からは年齢や性別等は判断出来ない。  昔見たホラー映画に出てきたの声に似ている。  そう考えると過去のトラウマも重なり身体から滲み出る冷や汗の量が一気に増えてしまう。  「誰だ」  絞り出した俺の声は少しうわずっていた。  「俺を一体どうする気なんだ?」  俺の怯えた声に反応したのかピエロの声の主は鼻で笑った息を吐いた。やがて子供を相手にするかの様な口調で丁寧に説明を始めた。  『私が誰かわかるか?陽一。お前を一番愛している者だ。私が誰か答えられなければ.....お前を殺す』  
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