紅の鎖

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「ふざけんな!俺にこんな事してタダで済むとは思うなよ!」 だがその瞬間、聞き覚えのある金属音が横たわる頭部のすぐ側で響いた。接触面が狭い質量の重い無機物。ゴンゴンと連続して叩きつけているという事は手に握れる長い物。 『今度反抗したらコレで頭をかち割ります』 かち割るという単語は俺に金属バットを連想させ、気味の悪い話し方は俺の口を閉じさせた。 『さあ。呼べ!お前を愛する私の名前を』 そしてピエロは再び要求を始めた。 まずい。コイツは間違いなくイカれている。
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