道標の話、一つ目

1/1

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ

道標の話、一つ目

「あなたとはきっとこうなる運命だったのね」 女性の肩に腕をまわし、男性は意気揚々と鼻息を荒くした。 「君とこうして隣にいられることを、どんなに待ち望んでいたか。君との未来、僕の夢が一歩ずつ進んでいく。これはほんとうにかけがえのないものだよ」 男性は幸せを噛み締めていた。 「私もよ。あなたといれば、私は何だって出来る。どんなことだって不安はないわ」 「そう言ってくれて嬉しいよ。僕は君のためなら何だって叶えてあげたいんだ。だから、辛いことや悩み事があったら、遠慮なく言って欲しい」 「ええ、そうするわ。あなただけが頼りよ。ずっとあなたについていくわ」 二人は仲睦(なかむつ)まじく寄り添い、太陽と月が入れ替わるのも忘れるほど、お互いを確かめ合っていた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加