『熱のせいだ』

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次の日 「ん……肩、痛い……」 ずっと同じ体勢で寝ていたせいで右肩が痛い。寝返りをうとうとするけど、狭くて動けない…何で? 首だけ後ろに向けると、あいつの寝顔が近くに見えてパニックを起こした。 「えっ!!!?な、な、なっ……何っ!?」 「……………ん~…、うるせぇ…」 「はっ?!いやいやいやいや……っ!」 何でこいつが俺ん家に!? 何でベッドで寝てんの!? 頭が混乱してる中、昨日の事を思い出した。 昨日着てたスウェットも違うものに着せ替えられている…。 もしかして、あれは夢じゃなかったのか? 「……………」 久しぶりに見たこいつの顔…少し痩せた…というかやつれた?。 久しぶりに触れる髪や頬…1ヶ月、何してたんだよ…俺はずっと、寂しかったっていうのに…。 昨日見た夢のせいか、風邪で弱っているせいか、今日は自分の気持ちを素直に受け止める。 こいつは全然起きる気配がないから、こいつの腕を伸ばして、自分の頭を乗せる。そして、向き合って…あいつの胸の中で、俺もまた眠りについた。
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