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『不安と嫉妬…』
熱がなかなか下がらなくて、会社に出勤出来たのは水曜日だった。同僚達が代わりに俺の仕事もしてくれていたけど、さすがに貯まりすぎていたから復帰してすぐ残業するはめに…
体調管理が出来てなかった俺が悪いんだけど、あいつの誘いを断ってばかりで…会えないままあいつとの期限が近づいていく。
仕事となればあいつも無理強いはしないし、また熱出されても困るからと、帰宅後に会うこともない。
『あまり社長に深入りしないように気をつけてください。傷つくのはあなたなので…』
ふと、秘書の時田さんに言われた言葉を思い出して胸がざわざわした。
あの言葉の意味は、いったいどういう意味なんだろうか…。
帰宅しようと会社を出てすぐに、背広に入れていたスマホが鳴った。23時か…この時間にあいつから連絡なんて珍しい。
「もしもし?」
『おぉ、元気か?』
「元気かって…お前こそどうなの?」
『まぁ…さすがに疲れてるかな』
電話越しでも分かる疲労感…あいつ、仕事の事何も話さないけど、きっと大変なんだろうな…
熱だした時お世話になったし…
「俺、今帰るところなんだけど、お前ん家…行こうか?」
『………………え?』
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