『不安と嫉妬…』

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「あ、でも……そんな時間あったら寝てた方が良いよな!悪い…っ!」 何を言ってるんだ俺は… 俺が行ったって何か役に立つわけじゃない。むしろ疲労は寝た方が良いんだ。 『全然まともな飯食ってないし、何か作りにきて』 「夜中なのに食ってないの?」 『集中すると食うの忘れるんだよ』 「…お前ん家、何か材料ある?」 『肉と野菜なら少しある』 「分かった。今から行くから待ってろ」 『あぁ、分かった』 ったく、そんなんだから疲れるんだよ。飯はしっかり食わないと、体力もおちるし、脳も機能しなくなるっつーの! なんて思いながら、向かう足は軽やかだ。 柄にもなく浮かれている…。 ちゃんと栄養あるもの食べさせてやらないとな。 マンションの前まで着いてチャイムを押すけど、返事がない。着くまで時間が空いたから寝てしまったのか? 何度も呼び出しても応答がないから最初の頃に貰った合鍵を使うことにした。まさか、この鍵を使う時が来るとは思わなかった…あの時、返さなくて良かった。
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