活動記録2:波乱の校外活動 完了報告

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「リノちゃん、頬がゆるみっぱなしね」 「うふふふ~」 「リノ、トモ推しやめない? 俺にしとけよ」 「兄ちゃん、しつこい」 「僕もレンに同意。ケイゴがいくら口説いても無理だと思う」 「無理って言うなっ!」  ソウサク部全員で、ワイワイと騒ぎながらの帰り道。  笑顔のみんなを見渡しながら、私の顔はますますゆるんでしまう。  憧れのアイドルに会えたことはもちろんだけれど、それ以上に、私はみんなとこうやって一緒にいることが嬉しいし、楽しい。  私が今、こうやってここにいられるのも、風の力……ハヤテのおかげなんだよね。 「ありがとう、ハヤテ」  みんなには聞こえないくらいの小さな声で、私はそっとささやく。 『礼などいらない。私はお前の守護者なのだから』 「!」  私はキョロキョロを見回す。みんなが不思議そうな顔をしている。どうやら、今の声は私にしか聞こえていないらしい。 「どうしたの? リノちゃん」 「えっと……何でもないです」 「あーっ! なんだよ、それ! 俺たちの仲だろ?」 「兄ちゃん、うるさい」 「ケイゴ、あまりしつこいと嫌われるぞ」 「なんだよ、さっきから! リノ! レンとイッセイがいじめるっ!」 「ケイゴ先輩、それはいじめじゃありません。事実です」 「リノまでいじめるっ!」  声をあげて笑いながら、私はドキドキする胸を押さえる。  ハヤテが返事をしてくれた!  私たちがお互いに信頼しあえるのは、まだもう少し先なのかもしれないけれど、それでも。 「一緒に頑張ろうね、ハヤテ」  私だって、ソウサク部の一員なのだ。これからもみんなと一緒に活動していくために、一歩ずつ前に進んでいこう。 「私、みんなに置いていかれないように頑張ります!」  私は、みんなに向かって決意表明をする。  みんなはきょとんとした顔をしていたけれど、ちゃんと言っておきたかったのだ。  ニコニコと満面の笑みを浮かべる私に、ケイゴ先輩がポン、と私の頭をなでた。 「俺たちが、リノを置いていくわけないだろ」  ポン。イッセイ先輩の手が頭に乗る。 「期待してるよ」  ポン。レン君が少し背伸びをして、先の二人と同じように頭をなでる。 「空回りしないように頑張って」  そして、最後はシズカ先輩が、ぎゅ。 「私は、ずっとリノちゃんと一緒にいるから大丈夫よ」 「あーー! シズカだけずりぃぞ!」 「はいはい、ケイゴはもっと離れて。隙あらば口説こうとするんだから。シッシッ!」 「シッシッ」 「ケイゴ、こりないやつ……」  またもや、私を囲んでみんなが大騒ぎする。  みんな優しくて、楽しくて、誰よりも頼りになる「仲間」。  大好きな人たちに囲まれる幸せを噛みしめながら、私はもう一度、内に向かってつぶやいた。 「ありがとう、ハヤテ。あなたがいてくれて、本当によかった」
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