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波の音は、海の乱気流が崩れ落ちた岩に座っていたメールルを優しく揺れていた。泡は石の凹凸に沿って落ちる前に必死にそれに固執したが、数秒後に潮とともに戻ってきた。
竜人が深呼吸した。微風は、頭の後ろで編みあげられ、結び合わされた彼の髪をかき混ぜた。彼は秋の色の瞳を細める間に、風が彼の顔を優しく叩きつけた。
変化するのを見た彼が、成長するのを見たこの風景を楽しむことができた最後の夜だった。彼がこの地球上に存在してから六十年の間に、自然は事をまっとうした。彼が西に見えた崖は崩壊し、海に溺れた瓦礫の漠然とした山だけが残った。水位は徐々に上昇し、彼の観察や瞑想していた場所は年々どんどん引いた。
明日、彼はたくさんの隅を知っていたドンドルマの街、そして故郷を離れる。それは名誉であり、不幸だった。そのために造られた巨大な船に乗って港を出るとき、彼は、いつの日か、この砂浜の日の出と日の沈みを眺めに戻ってくることを確信せずに去るでしょう。新しい土地を探索することは爽快かもしれないが、海の向こう側で何が彼等を待っているのか誰が知っていただろうか?
「おい、メールル。何をしているんだ?」
仲間の一人の力強い声が彼を思考から引き離した。竜人は頭を向け、琥珀色の瞳を、彼に向かって手を振っている堂々とした姿にとめた。あそこでは、土と乾いた草のかわりに、暖かい砂が広げていた。
友人のガレスがそこで立っていた。ガレスは、腕を広げて空気を揺れ動き、そして注意を引いたのをわかったらやめた。それから、遠い相手からの反応の欠如に直面して、偽のイライラしていた顔をして、彼は腰に拳を置いた。竜人は再び海に顔を向け、この海岸の香りとその美しい歌をもう一度味わった。
しばらくして、力強い手が彼の肩にかかった。友人の裸の足の下でがかさかさ砂の音が聞こえなかったら、彼はびくっとしたかもしれない。
やっとメールルと瞳が合ったときに「呼ばれているなら、答えればいいよ。」と、ガレスは笑った。
「キミが私に来ることをよく知っていたので、この静かをもう少し楽しんだほうがよかったでしょう。」
「相変わらずね」と、空っぽの砂浜を向いて、メールルと背中を合わせて座る前に、ガレスが笑って答えた。
彼等は長い間お互いを知っていた。人間と比較して竜人の寿命が長いことのせいで、メールルが友人の年齢のほぼ三倍だったにしても、彼は決してよそよそしくなかった。
古龍とその結一性に確かな魅力を持っていたメールルは、さまざまなモンスターの研究に長い年月を費やした後、すべての読みに飽きた彼は、まるで自然の呼びかけが知識の呼びかけよりも強かったように、フィールドでの探索と研究に目を向けた。結局のところ、自然と知識とはお互いにつきものだろう。
二人は出会ったのは、そのころだった。ガレスはハンターとしてよちよち歩きをし出したのは、メールルと同じころだった。ドンドルマの近くにあるギルドの合宿で、彼等は自分たちの宿舎を他の二人のとても感じの良い個人と共有していることに気づいた。その二人は、冷淡で、本当の筋肉の山であった逞しいコーネルと、絆が築かれると素晴らしい仲間にもなるやや不機嫌で頑固なタイプのセアフラであった。時折、その四人は、モンスターを狩るときに、天才のために際立っていた、有望な未来を持つ若い女性であるハユルウェンが加わった。一緒に、彼等は素晴らしいチームを組んでいた。
そして明日、彼等の五人は、この特定の任務のために選ばれた他の経験豊富なハンターと一緒に去って行く。最高の最高のハンター達、だそうだった。「古龍渡り」と呼ばれたこの奇妙な現象の謎を最もよく解決することができたはず者達。
彼等は自分たちの価値を証明するために非常に多くの適性検査に合格したので、メールルは終わりのずっと前にほとんど諦めたかった。彼はストレス、不安、そしてそれらすべての否定的な感情が嫌であった。この時期と同じくこの楽園みたいな砂浜のを訪れたことは一度もなかった。ギルドがこの最初の調査団—一生に一度の話のこと—に誰が参加するかとの成績が発表された日、彼はそこに座って、深く考えていた。そこで彼を見つけ、良いたよりを告げたのはガレスであった。
「キミは、私達がその任に堪えられると思うのだろうか?」とついにメールルが聞いた。
その質問で、メールルの声がそれまで波の音に邪魔されただけの沈黙を破った。
「私達は、なぜそのモンスター達がこのように行動しているのか、理解できるか?」
「その問題で頭がぼけていると思うよ、メールル。本当に。あなた達竜人はすべてについてすべてを知りたいな。俺達はこの世界のすべての謎を解明するわけではないことを認めて。将来の世代のためにいくつかを残さなければななないな。」
ガレスほど穏やかで真面目な男性はほとんどいなかった。しかし、彼が遠征隊を率いるように任命されなかったのは不思議であった。コーネルにはこの特権があった。当事者に意見を求めたら、彼は確かに、セアフラを除いて、この役割は他の誰かによって引き受けられるべきだったと答えるでしょう。多くの人にとって、たとえ当事者が同意しなかったとしても、ガレスの方が適当だったでしょう。
メールルにとって、ガレスは冷静に考えて調査団を率いられるからこそ理想的な候補者だった。ガレスが訓練中にどれだけ適用されたか、そして狩猟中にさらに多く適用されたかを確認するだけで十分であった。コーネルが大団長、そして実際には艦隊司令官に昇進したというニュース、ガレスにとっては大きな驚きだった。
「俺もさ、歴史に俺達の名前を刻印したくて、古龍渡りの謎を解いたのは俺達だったと記憶されたいのに、俺達はすでにこの新大陸に初めて足を踏み入れた人になるだろう。俺達は自分で自分の方法で歴史を作るんだろう。」
「私が興味を持っているのは後世に名を残すのではないが…」
「それはわかってるさ。ただからかってるさ」と、メールルを肩の先でそっと押して、ガレスはそっと笑った。
メールルは笑顔で答えた。この男の周りにいることで、彼はついにガレスのユーモアを、少なくとも、少しは理解し始めた。少なくとも、ガレスが真面目なとき、または逆に冗談を言っているときを知ることだった。
岩にぶつかる波のせせらぎに中断されていた長い沈黙があった。海が少し激しく墜落したとき、数滴が二人をはねかけるのがあった。そして、いつも水泡は危うくメールルの爪のある足にくっついた。彼は本能的につま先を小刻みに動かし、背中を少し真っすぐにした。氷のようなそよ風が彼を襲った。彼は真っすぐな鼻の先が赤面しているのを見ることができ、耳の先も同じだったに違いないと思った。
ため息をついた。息は静かであっても、ガレスは間違いなく気づいた。
「あなたは、未知の世界に向かうこと、そんなに恐れている?」
「何が私達を待っているか、わからないでしょう。この古龍が渡る地まで、古龍を新大陸について行くのは簡単な作業ではないわけでしょう。もしそれらの一体が私達の旅行で船をターゲットにしたら、どうなるか。かわいそうな船で何ができるでしょうか。」
「確かに、俺達の単純なボウガンや弓で、古龍を倒すのに十分ではないが、無理に心配しているよ、メールル。静かで平和なままでいれば、心配することはまったくない。俺と同じく知っているね、古龍のは理由もなく攻撃することは決してないことを。」
「だが、この現象が異常であるという事実を忘れているようだ。これらのモンスターも異常に行動することを排除するべきではない。」
「それは驚きとなるね。俺達は、発見の爽快感を求めるだからこそ応募したのだ!」
ガレスの興奮をともにしないことは簡単ではなかった。竜人が振り返るときに彼に与えていた柔らかな表情を見て、ガレスは大声で笑った。その笑いが、浅黒い肌の頬を引っ張った。彼の灰色の瞳は広がり、輝きでさらに照らしました。それとも夕日が映っていたのでしょうか?
その瞬間、初めて自然を発見した子供のように見えられ、そんなに三十代だったなんて信じられなかった。
「最初の調査が待ちきれない。キミが担当したり、ハユルウェンが編纂したり、コーネルがフィールドで調査したりして…」
「そしてセアフラが狩りするのは言うまでもないし!」と、いつも笑っていて、ガレスが言い足した。
「私達五人で、調査団の確固たる基盤を確立する。確立するはずと確信している。私達の足を継ぐ世代のハンターは私達に感謝するでしょう。」
「そう言われるのが大好きだ!」と、メールルのそばで深い声が響き出した。「俺が何に答えるべきかわからないあなたの終わりのない内面的で哲学的な質問よりも、そこが好きだ。」
五人はお互いをよく知っていたので、何も起こるわけがなかった。メールルはそう確信していた。そして、彼は調査団の他のメンバーに親しみを感じなかったとしても、コーネルと彼の伝説的な発信性格のおかげで、調査団のメンバーの間に絆が形成されるのは一夜だけが必要だ気がしていた。
落ち着いたがらない風が強まり始めた。その原因は本当に自然ではなかった。古龍が遠くでいらいらして、偉大な出発の準備をしてたようだった。このモンスターも、海を渡って、そんなに多くの謎を含んだ新大陸へ移動するつもりだった。
「普通では、この現象が一世紀一度だけ現れるというじゃないか…」
「俺達がこの大規模な移住について心配し始めるのに数十年かかったんだな。確かに、この間隔で短くされたのを見ると、ギルドの研究の見通しがかなり混乱したに違いない。」
メールルがものを言わずに、うなずいて同意を現した。
「そういえば、あなたは十六代に手が届くんだろう?」と、ガレスは口を継いだ。「あなたが生まれたとき、古龍は、世界で最も偉大なハンター—誰もではなく、初の竜人族のハンター!—が生まれて来たので、あいつらを一体ずつ倒さないように逃げなければならないと自身に言いたか?」
メールルは、このジョークが確かに楽しかったことを認めなければならなかった。彼の肩が震えた。そして彼の喉から逃げ出したよく通る笑いを抑えることができなかった。人差し指と親指の先で目をこすって、武器のハンドルで四本の指で握った。
彼は操虫棍を見捨てることはなく、作られたばかりのように見えるほど世話をしていた。ハンドルと棍の先の木材は、栄養価の高いワニスで定期的に維持されていて、武器の先を終わらせた刃は、他の金属の剣と同じくらい鋭いものであった。その夜のように、猟虫が付いていなくても、彼はそれをどこにでも持っていきた。それはメールルにとって御守のようであった。
ガレスのほうは、よく大剣で狩りをしていた。彼の動きは時々遅いかもしれないが、それにもかかわらず、彼はモンスターの手足を切り、モンスターの強力な攻撃をガードした最初の人だった。一方、コーネルはハンマーの他の武器が使用できなかった。素手で相手に構わず殴りまくることは選択肢ではなかったので、彼は最も重く鈍器の使用を専門としていた。メールルはいつもセアフラが太刃を持っているのを見ていた。素晴らしい刀、飛竜を材料した刃。暇なときに倦むことなく研いでいた。
狩りするとき、彼等は調和していたので、本当の五重奏にみえていた。竜人は、慣れていたように、新たにモンスターの狩りに乗り出すことを熱望していた。しかし、それは彼等がこの新大陸に到着するのを待たなければならないでしょう。もし彼等が後について行く古龍によって途中で食べ尽くされなかったならばが…
「ねえ」と、竜人の顔を見るために身をかがめて、ついにメールルの戦友が言った。「帰ろうか。俺達が戻らなないと、みんなが心配するかもね。明日立ち去りたくないって、あなたや俺が水に飛び込んだと信じまうよ。」
メールルの唇に内気な微笑みが現れた。しかし、その微笑みがすぐに消えた。いいや、結局、この大好きな風景に「さよなら」が言いようとしていなかった。
「ちょっと、五分待ってくれないか?」と、子供が両親に気まぐれを起こすような、少し気まずそうな顔をしてメールルが聞いた。
「どうすればあなたに何かが断れるか?目がこんなにぱーと光ってると、断る気になれない。」
「ありがとう、ガレス。」
男は立ち上がって、危うくバランスを失い、水に落ちた。彼はバランスを回復し、メールルが座ったままの岩を離れた。龍人の楽しそうな瞳の前で綱渡りをしたように石に歩いて、ガレスは、海に飲み込まれるのを恐れて、厚い革の長靴を力を尽くして一手一足に握った。長靴は、彼の体と一緒に左右に揺れていた。友人が砂浜に戻ったことを確認したと、メールルは再び地平線に伸びる無限の視線を一望に収めた。
明日、彼等は行くでしょう。調査団の誕生を記念して、彼らの偉大な遠征は、人の知る世界を離れ、未知の世界を冒すでしょう。彼は今後何年もの間、自分の「わが家」を再び見ることはないでしょう。だから、なるべく楽しみたいと思っていた。仲間の何人かとは異なり、彼はさよならを言うのに苦労した。
もう時間がなかった。不可避のことを延期するわけにはいかなかった。メールルは深呼吸して、そのヨウ素添加香水、波のざわめき、そして彼の顔を握るそよ風の新鮮さの記憶を心に刻みつけた。あそこには、何も同じではないでしょう。ついに、彼は両手を膝の上に置いて、瞳を閉じたまま、息を吐いた。これまでこれほど静かで穏やかな気分になったことがなかった。
彼は恐れを持って故郷を離れていた。それとも同じように、早く離れたくてたまらなかった。旅行は長くなるでしょう。しかし、彼と艦隊のみんなを待っていた発見は、彼の心にそのような夢中を引き起こしたので、応答しないのは愚かであった。呼びかけは強かった。
メールルは立ち上がった。つま先の先で完全な高さまで上昇し、最後に海を眺めた。沈黙の中で、彼はすべてのそれらの長い熟考と慰めの瞬間について海に感謝した。ついに、踵を中心してくるりと向き変えて、辛抱強く待っていたガレスに加わった。唇には、優しい笑顔を見せた。
「後でわかるよ。」と竜人の肩に手を置いてガレスは優しく言った。二人は広大な砂浜を歩いていた。「四十年で、この謎が解かれて、あなたはもう一度ここに戻って、海を楽しめるはず。この新大陸をそれほど好きになって、もう帰りたくなくなるのでなければかな。」
男は笑った。 メールルの声は冷静に彼に伴って響いた。
「さぁ、」友人の背を軽くたたいて、ガレスがささやいた。「帰ろう。別れ会のみんなは俺達を待ってるから。」
そう。ガレスが助け合ってくれたら、何も起こられないはず。この大冒険を一緒に体験して、彼等に委託された研究作業を始まるでしょう。出発が悲痛だとしても、そして不確実性が心を勝ち取るとしても、彼等は揺らがないでしょう。
明日、彼等は未知の世界に立ち向かうことをこれまで以上に決意して、ドンドルマを離れるでしょう。
明日、彼等は星に駆られて、彼方へ行くでしょう。
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