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お母さんは鬼に進化した
そしてその日はやってきた。
お父さんが、物置の甕を使うと言い出して、ぼくは止めたんだが、フタは開けられてしまった。
すると、甕の口から「お母さんの耳はロバの耳〜」「お母さんの耳はロバの耳〜」とよく響く声がして、村中に届いてしまった。
すると、村中のお母さんたちの耳はロバの耳になった。そしてぼくのお母さんは、頭に鬼のようなツノが生えたのだ。
村中のお母さんたちが、ぼくのお母さんのもとに集まってきた。そのお母さんたちも頭にツノが生えた。
ぼくのお母さんは「今こそ戦いの時が来た!お母さんよ立ち上がるのだ!」と叫ぶと他のお母さんたちは「ウォーッ!!」と勝鬨の声を上げ、村中に轟いた。
それは後にウォー・クライとして知られるようになったものだ。
それから、ぼくのお母さんは、どこかに向かって叫びながら一直線に走り出した。すると、他のお母さんたちも、一斉に叫びながら走り出した。
村にはお母さんが一人もいなくなった。
そしてぼくのお母さんは、ウォー・クイーンと呼ばれるようになったのだ。
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