記憶の中の香り second  ~香&尋~

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記憶の中の香り second  ~香&尋~

温泉旅行当日。 朝早くに尋が少しの荷物を持って、家に来た。 パパとママが車で空港まで送ってくれる。 行き先は兵庫県『城崎温泉』 羽田空港から大阪国際空港まで行き乗り継ぎ、コウノトリ但馬空港へ着くとバスで向かう。 城崎の温泉街に到着して、少しブラブラと温泉街を見て回る。 宿泊する旅館は温泉街にあり、その周りにはいくつもの温泉があって、自由に入りに行ける。 『七湯めぐり』 一の湯、御所(ごしょ)の湯、まんだら湯、さとの湯、(やなぎ)湯、地蔵(じぞう)湯、(こう)の湯の七湯があり、誰でも自由に入れる。 お土産屋さんもズラリと並び、賑わっている。 一通り見て回り、旅館へ向かった。 旅館のフロントで、尋が名乗る。 「いらっしゃいませ。橘様。お部屋へご案内いたします」 仲居さんに部屋へ案内され、中に入ると部屋の窓から温泉街が一望出来た。 「すごーい。いい景色」 「ふふっ、冬には一面雪景色、夏は花火が打ちあがり綺麗に見えますよ」 仲居さんが微笑んで言った。 「その時期にまた来たいね、尋」 「うん、そうだな。また来よう」 「では、荷物はこちらに。奥様にはフロント横に浴衣をご用意しております。お好きな浴衣をどうぞ。もしご要望でしたら、着付けもさせて頂きますので、ご遠慮なくお申し出下さい。夕食は18時でよろしいですか?」 「はい…」 「では18時、お部屋にご用意させて頂きます。温泉の時間等の案内はそちらに書いてございます。では、何かございましたらフロントまでご連絡下さい。失礼いたします」 仲居さんが部屋を出ていき、さっそく、尋と浴衣を見に向かう。
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